7. 初登校

 そしていよいよ,初めての登校の日。
 テストがあるから早めに来るようにということで早めに行ったけど,テストは通常の学校が始まる時間から始まりました。
 文法と作文のテストで,それによってクラス分けがされるということでした。
 でも,受験勉強で文法はわりと勉強してたので,さほど大変ということもなくテストは無事終了して,午前中が半分くらい終わったところで振り分けられたクラスに参加することになったのでした。
 ちなみに,私の行っていた学校では毎週月曜日に生徒の受け入れをしており,それぞれが週単位で申し込むため毎週金曜に何人かが卒業していっていました。
 私が入学した時,私のクラスはタイ人4人,日本人1人の5人が生徒でしたが,その週の金曜日に2人が卒業して行ったため翌週からはタイ人3人と私という4人での授業となりました。
 少人数のため,授業は和気藹々と進められ,クラスの雰囲気もとても過ごしやすいものでした。
 私は4人で授業,というのはちょうどいい人数に思えていたけれど,学校にとっては(なにしろ小さい学校だったので)先生1人につきたった4人というのは経済的に苦しかったようで,4人になった週から午後はビジネスイングリッシュのクラスに参加することになりました。
語学学校の前  ビジネスイングリッシュのクラスはなんと生徒が1人だっただめ,まあ人数の少ないクラス2つがくっついたというところでした。
 ビジネスイングリッシュと言っているからには,やはり内容も全く違う難しいことをするのかと思っていたけれど,そのクラスを教える先生がとてもおもいろい先生だったため,授業もとてもおもしろいものでした。
 その先生はまず第一にとても話し好きな先生で,それも1人で話すということではなく,私たちと会話をすることを好んでいたようです。
 そのため,嫌でも私たちも自分の意見,自分の国のこと,自分の好きなこと,嫌いなこと,とにかくたくさん話すことができました。
 私にとって(おそらく多くの人にとって)スピーキングはもっとも上達しにくいものだと思いますが,その授業では自然と話をするようになりました。
 その当時,クラスに日本人は私1人だったため,日本について聞かれた場合に答える人はいつも私しかいませんでした。
 よく言われることですが,外国を知る時にはまず日本について知っておかなくてはいけないというのは,本当だと実感しました。
 私も他の友達の国の習慣や規則などにとても興味がわいていたし,それと同じように私の国に興味を示してくれた友達には,やはり自分の国ではこうだ,ということを教えたいものです。
 そのためにも知識はありすぎて困ることはないと思います。
 1+1の答えをTWOと言えるようになるのは大切かもしれないけど,それよりももっと答えが2であることを知っていることがまずは大切だなあと思ったのです。
 知っていてさらにTWOと言えるようになれば言うことなしといったところでしょう。