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数学「受験術」指南

1990年度 金石中学校 1年5組 学級通信「Sophia」
第84号(1990.11.19発行)

 突然ですが,今日は土曜日に予告したことを変更して,別のお話です。
 予定では,前回の進路の話のつづき「その時彼らはどうなったのか」というやつと,職業についての研究,それと「中学を卒業して美容師になる」なんて話をする予定でした。
 これについてはまた次回です。
 今日は,読んでいておもしろい雑誌があったのでそのお話。
 いつも読んでいる「数学教室」(国土社刊)という雑誌の11月号です。
 今月の特集は「AMI流「受験術」指南」というやつです。
 このAMIというのは「数学教育協議会」の略です。
 この数学教育協議会の副委員長は,僕の尊敬する京都大学の森毅大先生です。
 中身はいろいろあったけども,その中から2つほどのお話をコピーしてみました。
 読んでみて下さい。
 ちょっと中身も難しいので解説をしていきます。

 ところで,先週の土曜日には,2年前の僕のクラスから,金大附属高校にいった生徒が学校にやってきました。
 木曜日にも,もう一人鹿野先生のクラスから金大附属にいった生徒がやってきて,話を聞いたけどとってもおもしろかったです。
 僕のクラスからいった子を仮にAとすると,Aというのは,やたらと本を読む子でした。
 いつ勉強しているのかわからないが,というよりも,いつも本ばっかり読んで,全然勉強もしていないし,もちろん家庭教師もいなければ,塾へもいっていません。
 それでも,成績はいつもトップクラスでした。
 それだけの余裕くらいないと,金大附属へいっても結局は通用しないみたいです。
 Aは中学の時は陸上部だったのに,高校にはいると突然演劇部に入り,いま2年生ですが,文化祭では歌舞伎の演出を担当したそうです。
 そして,客集めのために,学校の近所中にビラまきをして,昨年の倍以上の観客を集めたそうです。
 文化祭前は連日10時11時まで学校に残り,生徒会執行部なんかは,泊り込みまでしていたそうです。
 話を聞けば金大附属高校にも,実にいろいろな人物がいます。
 彼が一番驚いたのは「サザエさん」というものをちっとも知らなかったという友達です。
 勉強ばっかりしていて……その友達の見ていたテレビは「ニュース」と「水戸黄門」だけだったとか。
 そんな彼も,もちろん勉強はしているのですが,やはりいろいろな悩みもあるみたいです。
 さて,もう一人,鹿野先生のクラスだった子,仮にBとすると,このBもユニークな人物でした。
 これまた,どういう風に勉強をしているのかわからないけど,常に満点に近い点をとり,成績はトップクラス。
 おまけに2年生の後期,3年前期と生徒会執行部をし,3年前期には生徒会長まで務めるということまでやってのけました。
 Bは,自分の学校の先生のことばっかりをしゃべっていきましたが,まあ,生徒におとらず先生もおもしろい。
 Aに言わせると,この学校の先生は生徒でもっているとのこと。
 つまり,授業をしなくても生徒は勝手に勉強をするので,先生は適当なおしゃべりをすることも可能であるとのこと。
 まあ,そんなもんかな。
 ということで,とにかくおもしろい2人の生徒AとBなのでした。
 ま,こんな風に勉強ばっかりやっていなくても,しっかりと行きたい大学にいっちゃうのだから,すごいね。

 さて,君たちのまわりにも,おもしろい人物はいるかな?

 まあ,数学の時間をみても,あんまりおもしろい考え方をする子がいないような気もするが。
 なにしろ,最近は塾ばやり,家庭教師ばやりなので,確かに受験のためのテクニックというのは身につくけれども,数学的な考え方はなかなか身につかないみたいです。
 それに,受験のためということもあって,数学を楽しんではくれないのです。
 そういうぐちを言ってもしかたないが,でも試験問題は,できるだけ塾や家庭教師に習えばできるというようなものを避けて,わざとその裏をかくような,授業でしかしゃべらないということを出すように心がけている。
 そして,テクニックを重視するんじゃなくて,数学的な考え方をためす問題をつくろうとしているんだけれども,問題をつくる方も難しいですね。
 なにしろ原理がわかれば,数値がどのように変わろうとも解けるというのが数学なのだから,解き方をただ覚えてもむだ,という試験問題をつくらなくっちゃね。

 さて,話はいろいろとんだけど,君のやってる勉強はどんなのだろう?

 もう一度勉強するってことの意味を考え直してみよう。

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