金沢弁の中でも「あいさつ言葉」をあれこれ紹介します。
出典は,金沢市商工観光課発行の「おいであそばせ/おいだすばせ 美しい金沢言葉普及事業「接客言葉」T」1986年発行 からです。
「あんやと存じみす」・「あんやと」=「ありがとうございます」
お礼の言葉ですね。
「あんやと」は親しい間柄で使います。
「いっておいであそばせ」・「いってらっし」=「いってらっしゃい」
出かけるときには「いってらっし」。「いっておいであそばせ」だとお客さん用の言葉ですね。
「いらさるこっちゃ」=「いてください」
そんなに遠慮しないで,ゆっくりしていって下さいよ,といった感じで,くだけた表現ですね。
「いらしておいであそばせ」=「さようなら」
さようならという意味ですが,また来て下さいね,という気持ちを表しています。
「おいであそばせ」・「おいだすばせ」=「いらっしゃいませ」
「おいであそばせ」がなまって「おいだすばせ」となったと言うべきでしょうか。
「ようこそいらっしゃいました」とお客様を迎えたときの言葉です。
「おきのどくな」・「きのどくな」=「すみません。ありがとうございます」
ふつう「気の毒な」といえば「気の毒な人」というように「かわいそう」という意味ですが,金沢弁ではこれが「ありがとう」なのです。
何かもらったり,何かしてもらったりすると「あらー,気の毒な。」と言います。初めて聞いた人にはせっかく好意を受けてどうして「気の毒なの?」と思ってしまいますが,実は感謝の言葉なのです。
「お静かに」=「お気をつけて」
お客様が帰るときに,帰り道に何もありませんようにという気持ちの言葉ですね。
「おひんなりさんでございみす」=「おはようございます」
「お昼になりました」というのがなまったのでしょうか?実はよく知らないのですが,「お日様が出ました」というのかも知れません。とにかく朝のあいさつです。
「おゆるっしゅ」=「よろしく」
別れに際してのあいさつ言葉で,「よろしく」がなまったのでしょうか。
「おるまっし」・「おるまっしま」=「いてください」
そんなにあせらないで,ゆっくりここにいなさいよ,という気持ちです。
親しい間柄で使いますね。
「ごきみっさま」・「ごきみっつぁんな」=「ごていねいな。ありがとう」
感謝の気持ちを表しますが,特にお金を受け取ったときに使います。
「ごめんあそばせ」・「ごめん」=「ごめんください」
他の家を訪問したときのあいさつです。
「ごめん」は武家言葉の名残であるといわれています。
「こんね」=「こんにちは」
これまた他の家を訪問したときの言葉です。
「ながいこって」=「お久しぶりですね」
久々に訪れたお客様に対するあいさつです。
長いこと会いませんでしたね,という感じです。
「まいどさん」=「こんにちは。こんばんは」
朝が「おひんなりさんでございみす」なら,午後からは「まいどさん」です。
「またおいであそばせ」=「またお越しください」
ということで,金沢弁「あいさつ言葉」特集のページもおしまい。
「お近いうちに,Prince Kochan's Productionのページへ,またおいであそばせ」
読んでみまっし金沢弁のメニューページにもどる