10月14日(土)
宿泊地:ストックホルム
スウェーデン最後の日である。
この日は公的な研修,学校訪問はなく,市内の各施設を見て回る日である。
朝の8時30分にホテルのロビーより家に電話する。日本ではすでにこのとき午後の4時30分。土曜日なので,家にいる娘が出る。
「きゃー,私,国際電話かけてる。」と無邪気にさわぐ娘である。
かけてるのはこっちで,そっちは受けてるだけだぜっ。
ちなみに硬貨を使ってかけたのではなく,クレジットカードでかける。電話機が,クレジットカードをさっと通すだけで使えるのである。
しかもダイヤル直通なのである。009−81とかけて,そのあと日本の電話番号の市外局番の0をとってダイヤルを回すと通じるという,何という便利な世の中だ。
まずはストックホルム市庁舎へと行く。
空気は冷たい。1年前の今の時期は雪が降っていたそうであるから,寒いはずだ。
ノーベル賞の受賞パーティーの行なわれるホールに入る。出入り自由である。
しかも,このホール,団体であればどこにでも貸し出しているそうだ。
スウェーデンの国王が,ノーベル賞受賞者とともに下りてくるという階段を歩く。
市議会の議場にも入る。土曜日の朝一番なので,がらんとしている。
(左・市庁舎の階段にて。まだ誰もいなかった。)
その他,モザイクを壁面全体にあしらった大きな部屋がある。
(左・壁面いっぱいのモザイク)
また,市庁舎では午後から何組かの結婚式が行なわれる。当事者2人が誓約すればそれでいいという国である。
結婚とか,離婚とか,不倫とか,同棲とかいう観念がこの国にはあまりない。 大事なのは二人が愛し合っているのかどうかということである。愛してもいないのに,2人が一緒に住むことはない。
(左・市庁舎の廊下。2種類の柱(円柱と角柱)がある。間違えて(?)男性の柱といわれる角柱の方に抱きつく私)
市庁舎を出て,石段に一人ぼけっと座っていると(ぼけっと座るのが得意である)観光客がたくさんやってくる。
日本人のように見えた一団は中国語をしゃべっていて,台湾から来た人たちだった。
東洋人というのはみんな同じように見えてしまう。当たり前だけど。
しばらくすると,兵士たちが機関銃をかついで一列で通りすぎる。金沢市役所の前を兵隊たちが通りすぎることがあるだろうか。ちなみにスウェーデンは永世中立国である。
次に王宮に行く。
ガムラ・スタンという島にある。
ガムラ・スタンは英語でいえば,オールド・タウンである。
ガムラ・スタンの地図(560X565,173KB)を見る
王宮の玄関前まで自由に行ける。もちろん護衛の兵士はいるが,手をふれば王様が手をふってくれそうな感じである。
ふらりと門を入る。中にトイレがあるが,1回5クローナである。
その後旧市街を歩く。
特におみやげを買うわけでもないので,またもやぶらりぶらりと店屋のウィンドウを見て歩く。
(左・旧市街。ショーウインドウもなかなかセンスがいい。)
スウェーデンも不況。外国人の移民が多い。そこで右翼っぽい団体が出てきている。広場でうさんくさい若者が数名旗を立てていた。スウェーデン語が読めないので,なにやらさっぱり分からないが‥‥
それから少し街を離れて,高台に行く。
眼下に川が見える。街並みはきれいだ。きっと100年前もこんな景色だったのではないかと思えるような街並みである。
砕氷船が留まっている。さすが北極圏の国らしい船だ。
近くのレストランに食事に行く。肉団子とじゃが芋。これはおいしかった。
大使館街を通り抜ける。
日本大使館はこじんまりとしていて,かわいらしかった。それに比べてアメリカ大使館は大きく,しかもテロ等に備えて塀が高く物々しい。
VASA MUSEET (バーサ博物館)へ行く。
これは昔沈んだバーサ号という帆船を引き上げて,その船を復元してつくった博物館である。
1628年に王様が造らせたのだが,この王様,予定よりさらに大きく背を高くさせた。
そして出帆したところ,あっと言う間に傾いて沈んだのである。
それを30年ほど前に,つまり沈んでから300年ほどたってから引き上げたものである。
(左・バーサ号)
バーサ博物館の館内案内図(380X380,33KB)を見る
映画でその経緯を紹介していた。
スウェーデン語であるから,英語の字幕スーパーが画面の下に入る。それを読んで意味を理解しているうちに,次の画面になり,画面が分からない。意味がわかれば画面は先に行き,画面を見ていたら,スウェーデン語が分からない。困ったものである。
これにて本日の研修は終わり。再びデパート巡りとなる。
昨日とちがうNKデパートへ行く。北欧最大のデパートだそうである。
日本円も使えるという話であった。
特におみやげを買うあてもなく,一通り見学して,スライド用のリバーサルフィルムだけ買おうと,カメラのコーナーを探す。
そしたら地下にあった。で,店員に「Do you have a reversal film?」と聞くが,通じない。
うーん,スライドのためのこのフィルム何と言えば通じるんだろうと,何回か同じようなことを言うが通じない。リバーサルフィルム以外に言い方を思いつかなかったが,ようやく「Film for slide」と言ったら通じて,出してきてくれた。
ああ,よかった。
次に日本円が使えると言っていたので「Can I use Japanese yen? 」と聞くと「Sorry なんとか,かんとか」と,とにかく断られたので,続いての必殺技「Can I use credit card?」で「OK」となる。
ところがこのリバーサルフィルムがくせもので,4本セットだったが,3本はリバーサルフィルム,あと1本はサービスの普通のフィルムだったのだ。
そうとは知らず,最後の1本をスライド用と思い込み撮影して,日本に帰ってきて現像すると,普通の写真だったというわけである。
その後王立公園をぶらりと散歩し,途中にあった大きなおもちゃ屋に入って冷やかしをして出てきた私でした。
さて,スウェーデン最後の日で特筆すべきは,今日の夕食である。
やはり,この旅行記,食事の話ばかりである。1日目から食事のことを書かなかったことはないような気がするが‥‥ま,それはいいとして,この日の夕食は,何とトナカイのステーキである。
トナカイなんて食べられるの?と思うでしょうが,食べられるんだなそれが。
あの,サンタクロースで有名なトナカイであるが,食用のトナカイを育てているそうである。日本でも,馬やら,熊やら,猪やらを食べるわけで,ところ変われば品変わるということである。
その味のほうはと言えば,牛肉のステーキのようにこくはないが,かと言って羊のようにくさみはなく,豚のように脂っぽくなく,繊維質もなく,まあまあいける味なのであった。
といっても食べてみないと分からないんだが,みんなもストックホルムに行ったら「オーロラ」というレストランに行ってみましょう。
「オーロラ」のパンフレット(559X586,130KB,560X587,134KB)を見る
このレストラン,地下に潜るような感じであり,洞窟の中で食べているような雰囲気であった。
トナカイのステーキがうまかったので,ワインもよくすすむ今日の夕食であった。
さて,帰りはホテルまでタクシーで帰る。
まあ,全般にスウェーデンの料理は味がこく,いまいちだったが,うまいものもいろいろあった。そんなこんなで終わったスウェーデン最後の日であった。