10月19日(木)
宿泊地:ロンドン
さあ,いよいよこの日はロンドン市内1日観光だ。
正式には「市内公共施設および教育文化施設視察研修」と言うが,ま,楽しい観光である。
何しろメモを取らなくてもいいというのがいいね。
まずは,セントポール大聖堂へと向かう。高さが111メートル。これの全景を入れて人物も入れて写真を撮るのがとても無理な高さである。少し離れて写真を撮ったが,それでもてっぺんまで入らない。
さて,第1の訪問場所で大事件(?)
松本氏が,財布入りのバッグをどうもホテルに忘れてきたというのだ。どこにもないし,ほかに考えられないということでホテルに引き返すことになる。
次のロンドン塔で落ち合うことにして,タクシーで一人彼は引き返したのだった。
タクシーに乗り込む緊張した松本氏の写真を能天気にも撮影するのは,ちょうどロンドンのタクシーの写真を撮りたかった私だった。
イングランド銀行周辺,大火記念塔の前を通り,ロンドン塔へと行く。
このロンドン塔では,入り口で持ち物検査がある。
かばんを開けて,何だか放射能測定器みたいなものを突っ込んで調べるのだ。
何しろ女王陛下の大切なものをじかに見せるところである。とんでもないものを持って入るわけにはいかない。
ぐるりと回りを歩いたあと,ジュエルハウスへと向かう。
そこへ松本氏が登場。食堂にしっかりかばんがあったそうである。よかったね。
ロンドン塔名物,赤い上着の衛兵ビーフィーターがうろちょろ(?)としている。一緒に記念撮影。それと同時に最新式のカービン銃を持った衛兵もいる。
さて,このジュエルハウス,世界最大の530カラットのダイヤモンド「アフリカの星」をはめ込んだ玉笏をはじめとして,本当に本物の宝石を山ほどちりばめた王室の宝物が飾られている。
すごいなあ。さすが大英帝国と思ってしまう。女王陛下の宝物の実物を見せるところもすごい。しかし動く歩道があって,立ち止まれない仕組みだ。写真撮影も禁止である。でも,目の保養をさせてもらった。
帰りに変なカラスがいる。これは17世紀にチャールズ2世が常に6羽だけ飼っておくことに決めたそうである。
大きなカラスであるが,羽を短く切ってあり,飛んでほかの場所へはいけない。このロンドン塔の見張り役みたいなものである。
続いては,近衛兵の交替式に間に合うようにとバッキンガム宮殿へと向かう。
しかし,ロンドン中の観光客がふってわいたようにやってくるので付近の道路は渋滞。
しかも,観光バスは決められた場所でないと客を降ろしてはいけないらしい。目の前にバッキンガム宮殿が見えるのに,降りられない。しかし,この日は道路にお巡りさんがいないということで,運転手さんが降りていいよと言ってくれて,途中で降りる。
何しろ歩いたほうがバスよりも早いのである。
もう宮殿の回りは人だかりで,とてもじゃないが,入るすきはない。
仕方がないので,とにかく次の交替のためにやってくる近衛兵を見ることにする。
交替の時間帯だけ交通を遮断して,すべて道路は近衛兵が歩くためにある。
その昔,絵本か何かで見たものそのままの衛兵が行列でやってくる。何百年と変わらない光景なのであろう。
少しでも見るために,一人ガードレールの上に立ちフェンスの中をのぞく。
お昼ご飯は中華料理である。本当にどこにでも進出する中華料理である。味は日本で食べる中華料理と同じようなものであった。
さて,午後の第一番は大英博物館である。
何と言ってもすごいなぁと思ったのは,入場が無料だということだ。これだけの規模で,内容で,入場が無料である。
しかし,大きすぎて全部見ることができない。ギリシア,エジプトのコーナーだけで精一杯,というよりもそれすらも全部見ることができない。ロゼッタストーンやたくさんのミイラ,ギリシアの石像などを見ると,本当にすごい博物館なのだなあと思う。全部見るには10日はほしい。それでも足りないくらいである。
うちの子たちにロゼッタストーンのレプリカの文鎮を買う。
それと,ここで自分のために買ったもので一番気に入っているのがヒエログリフ(エジプトの象形文字)のスタンプセットである。
ほかの団員が買っているのを見て,即買おうと思ったのだ。しかし,中央の売店で,最後の一つを中条氏に買われてしまう。レジの女の人に「I need same one. But,there is nothing. 」と言うと,もうないという話。
「Challenge other shop. 」とかなんとか言われて,集合時間がきているが,執念であとの売店にさがしに行く。しかし,大切のなのは執念である。ちゃんとあるではないか。やっぱりあきらめずに探してみるもんである。
それからバスはテムズ川のほとりへと向かう。
国会議事堂の向かい側からあのビッグベンという時計で有名な国会議事堂を眺めるためである。
ちょうど女王陛下,つまりエリザベス女王,が国会に出席中とかで,こちら側に女王陛下のロールスロイスが止まっていた。
このロールスロイスにはナンバープレートがない。
お上りさんの我々は,当然のことながらこのロールスロイスと共に写真を撮る。
回りには警官がたくさんいて,警察車両,バイクなど多数あったが,みんなのどかに談笑していた。
女王陛下のロールスロイスにさわろうが,のぞき込もうがどうぞご自由にという感じであった。
さて,本日最後の日程は,おみやげの調達である。ロンドン一にぎやかというか,夜中騒がしいというか,若者のたまり場というか,そんなピカデリーサーカスへと行く。サーカスとは円形の広場のことである。
この近くのデパート三越の前で降ろされる。ここは日本語が通じ,日本円が使えるということだそうだ。
しかし,ロンドンまで来て,日本のデパートで買う気もしないので,即このデパートを出て,一人で付近の散策へと出る。
なんて女の人というのはおみやげを買うのが好きなんだろう。
レコード屋,本屋などぶらつく。
途中に小さなおみやげやがあるのでそこに入り,1才の甥のために2階だてのロンドンバスのミニカーを買う。
レジの女の子がかわいい女の子だったので(というわけではないが)その他に,ボールペンやキーホルダー,しおりなどいろいろこの店で買う。
お金を払うときに,小銭がないかと言うので,イギリスの小銭の区別がなかなかつかないから財布をじゃらっとあけて,これから取ってくれと言う。分からないときはこうするに限る。
この旅行で訪問した3カ国はいずれも一人で街を歩いても全然こわくない。気楽に歩ける国である。
夕方食事まで暇があったので,これまた一人でホテルの近所に出かける。
コンピュータの店に立ち寄り,いろいろ見る。何かおさがしですか?と聞かれたので,日本から来たけど,コンピュータに興味があって見ているのだと答える。
それから,大通りを一つ曲がると商店街である。さまざまな店が立ち並び,夕方なのでビジネスマンなどが足早に歩いてくるのとすれ違う。と同時に,おばちゃんたちが買い物をしながらしゃべっているのにもでくわす。どこにでもありそうな夕方の風景だ。
この日の夕食後には,本日の目玉のミュージカル見物である。
演目は「レ・ミゼラブル」日本では「ああ無情」という題でよく聞く。
これまたピカデリー・サーカス近くのパレスシアターへ行く。開演前からたくさんの人である。
客席数1450の中規模の劇場だが,満員である。毎日満員になるのだろう。それにしても日本の人口の半分でありながら,このようなミュージカルが毎日満員になるのは大したものだ。
この「レ・ミゼラブル」のほかにも「オペラ座の怪人」「キャッツ」「スターライトエクスプレス」など見てみたいミュージカルがたくさんロンドンで上演されていた。
とにかく英語なので,全然せりふが分からない。ストーリーが分かっておればよかったが,だいぶ昔にしかこのビクトル・ユゴーの本を読んだことはなく,しかもお子様向け「ああ無常」だったので今どんな場面かよく分からない。
しかし,舞台装置,その歌,演技がすごい。
最後には,回りの女の人たちが涙を流して見ている。うーん,せりふは分からなかったが,とにかくすごさは分かった。
「レ・ミゼラブル」のパンフレットを見る
その後,このパレスシアターのお向かいにあるパブへと行く。パブも2回目なので,何となく慣れたような気になる。
帰りにはみんなで地下鉄に乗る。またもや熟睡の夜である。