10. 週末のピクニック

 さてさて,パースにやってきて1ヶ月近くが過ぎようとしており,ホストファミリーとも打ち解けてきた頃に,週末にピクニックに行くけど行く?と誘われました。
 私の家は市内からは遠いけど,その分ヤンチェップ国定公園という大きな公園がわりと近いのでそこに行くとのこと。
 そりゃあもちろん行きますとも!  その日はあいにくの雨で,私のイメージしていたピクニックはみんなでお弁当を持って,てくてく歩くものだったので,雨ってことは中止なのかなあと思っていたら,今日は10時に家出るよって言われました。
 その公園までは車で30分ほど。
 30分か,じゃあ近いなあって思ったら大間違い!パースは田舎に行けば行くほど信号が極端に少なく,家から最寄りの駅もバスで15分ですが,それも信号もない道をバスが暴走してその時間なのでそれなりの距離はあるのです。
 目的地の公園に着いたら,なんとすごい数の人が待っていました。
 全部親戚だったのか,友達もいたのかあまりの人数に定かではありませんが,多くの人に「日本からの留学生で,9月まで一緒にいて…」と紹介され,相手もホストファミリーとの関係と名前を教えてくれたものの,相手はたった一人の日本人なので名前も顔もすぐに覚えてくれたようでしたが,私には名前すら怪しいという有様…話しかけられる度に,「この人ってさっき話した人だったかな?」と自問自答を繰り返す羽目になってしまったのでした。
 その国定公園は,西オーストラリア州でも有名な公園だったらしく,その日は雨のために1ヶ所にとどまるしかありませんでしたが,晴れていれば見るところがたくさんあったようです。
 鍾乳洞などもあると聞きました。
野生のカンガルー
(←野生のカンガルー)

 しかし,鍾乳洞は見れなかったけど,きれいな湖(おそらく彼らには池なんだと思うけど)がすぐそばにあり,また野生のカンガルーにも遭遇しました。
 野生のカンガルーに出会うことがオーストラリアの人にとってどれほど珍しいことなのか分かりませんが,彼らはそう驚いた様子もなく「あそこにカンガルーがいるよ」と教えてくれましたが,私にとってはカ,カ,カンガルー!?本物のカンガルーかと疑いたくなるほどの驚きの出来事でした。