日本昔話「耳なし芳一(みみなしほういち)」

 昔,昔のことです。山口県(やまぐちけん)下関市(しものせきし)に阿弥陀寺(あみだじ)というお寺がありました。
 この阿弥陀寺というお寺は,このあたりで行われた源平の合戦(げんぺいのかっせん)で命を落とした平家(へいけ)一門がまつられていました。
芳一  このお寺に,芳一(ほういち)という盲目(もうもく=目が不自由なこと)の琵琶法師(びわほうし=びわという楽器を弾く人)が住んでいました。芳一は琵琶(びわ)がとても上手で,特に平家物語の弾き語りが得意でした。
 さて,ある夜のことです。和尚さんが留守の時,突然一人の武士が現われ,ぜひともその琵琶による平家物語の弾き語りを主人のもとでやってほしいと頼みました。
 しかし,そのお屋敷にでかけた芳一は乗り気ではありませんでした。そこで,最近練習を始めたテツandトモの「なんでだろ〜,なんでだろ〜」を演奏し始めました。
アゲハチョウ  するとそこにいた武士たちが口々に言いました。
「平家物語じゃないと,意味ないぞ。」
「そうだ,そうだ,ほかの曲じゃ意味がない。」
「芳一を呼んできた意味がないぞ。」
 そこで,このあと芳一は「意味なし芳一」と呼ばれるようになりました。

 以上「意味なし芳一」のお話でした。


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 ★ 岡 絵里からこのページにたどり着いたよい子のみなさんへ伝えたいこと ★

 日本昔話はインターネットで検索する前に,まずはお父さん,お母さんに語って聞かせてもらいましょう。インターネットの情報は時として危険に満ちあふれていますから,注意が必要です。
 もしも,お父さん,お母さんが忙しくて,お話をしてくれないか,本を読んでくれないのならば,自分で本を探して,読んでみましょう。本を読むことは大切なことです。
 あるいはお父さん,お母さんがそもそも日本昔話を知らないというちょっと寂しい大人ならば,あなたがお話を読んできて,逆にお父さん,お母さんに日本昔話を語ることもいいことです。
 また,学校図書館の司書の先生や,図書館の司書の方に尋ねるのもいい方法です。コンピュータの画面よりも人間の方がとても面白いですよ。

「ことごとく書を信ずれば,すなわち書無きにしかず。」(孟子)

「ことごとく情報を信ずれば,すなわち情報無きにしかず。」(絵里)

 ついでですが,おじさんはダジャレやオヤジギャグが好きなものです。
 新しいダジャレやオヤジギャグを思いつくためには,結構言葉を知っていないとできません。
 よい子もちゃんと学校で国語の勉強をしておきましょう。
 すべての教科の基礎は国語ですよ。
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