マレーシア・シンガポール旅行記
 −マレー鉄道でタンピンからシンガポールまで移動−

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 いよいよマレー鉄道での移動である。
タンピン駅 タンピン駅の正面 タンピン駅の切符売り場
(写真説明 上左&上中:タンピン駅の外観。上右:切符売り場。)

 タンピン駅には予定時刻の30分前に着く。予定ではタンピン駅10時3分発である。
 ちなみに,切符売り場の時刻表を見てみると,列車の本数がえらく少ない。こんなので経営が成り立つのだろうかと思うのだが,よくわからない。
 この駅に止まる列車の時刻を写してみると,クアラルンプール発シンガポール行きは23:39,10:03,16:14と3本,逆のシンガポール発クアラルンプール行きは03:30,12:15,20:06の3本,タンパット(Tunpat)発クアラルンプール行きが04:53,19:29の2本,逆のシンガポール発タンパット行きが22:43,18:39の2本である。都合,上下線あわせて10本の列車がここに止まる。

駅の待合室 クアラルンプール方向 シンガポール方向
(写真説明 上左:駅の待合室。上中:跨線橋からクアラルンプール方向を見る。上右:跨線橋からシンガポール方向を見る。)

 しばらくしてガイドさんから列車は15分ほど遅れていますとの案内がある。
 これから乗ろうとする列車の時刻表を見てみると,次のようなスケジュールである。
 SENTRAL KL(クアラルンプール)8:15発,途中2駅に止まり,タンピン(Tanpin)10:03,途中6駅に止まり,ジョホールバル(Johor Bahru)13:48,終点シンガポール(SINGAPURA)15:00着となっている。
 ここでは列車が遅れてくるのは当たり前らしい。みんなのんびりしたものである。

ホームからの風景 列車がやってくる 機関車
(写真説明 上左:ホームからの風景。車両のオブジェ。上中:いよいよ列車がやってくる。上右:これが機関車。)

客車部分 いよいよ出発 踏切
(写真説明 上左:客車部分。上中:いよいよ出発。上右:最初の踏切で。)

 さて,結局のところは20分あまり遅れて,10時24分に列車は出る。乗ってしまえばあとはのんびりと列車の旅である。
 最初の踏切に何台かのバイクが待っている。1日に数回の遮断機の作動なのかなあと思って,見ていた。
 さて,以下は途中の停車したり,通過したりした駅や,車窓である。
 ちなみに駅名の読み方はよくわからないので,適当に表記しているので,あしからず。

通過するBatang Melaka駅 通過するBatang Melaka駅 通過するBatang Melaka駅の踏切
(写真説明 上左&上中:通過するBatang Melaka駅。上右:通過するBatang Melaka駅近くの踏切。)

 11時頃Batang Melaka駅を通過する。なぜかホームの待合所らしきところでおじさんが寝っ転がっている。仕事の合間なのか何なのか,のんびりした風景である。

Gamas駅 Gamas駅 Gamas駅の踏切のおじさん
(写真説明 上左:Gamas駅の西側。上中:Gamas駅の東側。上右:Gamas駅付近の踏切のおじさん。)

 Gamas駅を11時半近くに出発。この時点で30分遅れである。
 この町は駅の東側が拓けているようである。
 今回2等車に乗ったのだが,座席は回転式ではなく固定式である。車両のちょうど真ん中で,いずれも出入り口方向を向いている。つまり,半分の人は進行方向を向いて座り,残り半分の人は進行方向の逆向きに座っている。自分は前半分だったので進行方向向きに座った。そして,進行方向右側の窓際だったので,写真はずっとマラッカ海峡側,つまり西側の方を写すことになる。

お弁当 Segmat駅 Labis駅
(写真説明 上左:お弁当。上中:Segmat駅。上右:Labis駅。)

 ちなみに,このツアーのお弁当ということでチャーハンとサンドイッチのパックが配られたが,このチャーハン,薄味でなかなかうまかったのだった。これだけで結構お腹が一杯になった。
 さて,Segmat駅を11時55分頃出発。予定は11時19分だから,約35分遅れである。
 途中で線路の工事をしていて,かなりの徐行をしていた。
 お次はLabis駅。40分遅れとなる。

椰子の木と民家 寺院 椰子の木の山
(写真説明 上左:駅近くの建物と椰子の木。上中:途中に見えた寺院。上右:椰子の木の山。)
 
 車窓からの風景は,椰子の木が延々と続くことが多い。時にはゴムの木の林が現れる。そして,山の上まですべて椰子の木であるところもある。これには感心してしまう。
 真ん中の写真は途中で見かけた寺院だが,偶像があることからヒンドゥー教の寺院のようである。

Klung駅 通過したMengkibol駅 通過したMengkibol駅
(写真説明 上左:Klung駅。上中:通過したMengkibol駅。上右:通過したMengkibol駅。)
 Klung駅を予定では12:28発のところ,13:08に出るから,40分遅れのままである。つまり,順調な遅れ(?)である。
 通過したMengkibol駅であるが,駅と寺院がつながっている。SRI MAHA MARIAMMAN TEMPLEとあった。ということで,ヒンドゥー教の寺院のようである。それにしても,なぜ駅のホームと地続きなのだろう?

Kulai駅 Kulai駅 Kulai駅
(写真説明 上左:Kulai駅のホーム。上中:Kulai駅の待合室あたり。上右:Kulai駅の時刻表。)

 Kulai駅定刻13:16のところ,13:53発。やや遅れを取り戻したぞ。
 駅に中学生らしき少年の姿がある。どこでもこの制服を見かけた。女の子の制服姿を撮り損ねたのだが,これもまた同じ色と形の制服を,離れた地点で見かけた。全国同じなのだろうか?

Kulaiの街並み 列車の継ぎ目 Kempas Baru駅
(写真説明 上左:Kulaiの街並み。上中:列車の継ぎ目。上右:Kempas Baru駅。)

 列車の継ぎ目に来てみたが,レールが見える。昔の日本の客車を思い出す。
 さて,いよいよ次はジョホールバル駅である。
 一つ手前のKempas Baru駅を40分遅れで出発。

ジョホールバル駅のホーム ジョホールバル駅の正面 ジョホールバル駅で乗車を待つ人々
(写真説明 上左:ジョホールバル駅のホーム。上中:ジョホールバル駅の正面。上右:ジョホールバル駅で乗車を待つ人々。)

出入国管理官と列車に乗り込もうとする人たち ジョホールバル駅の警察 ジョホールバル駅の警察官
(写真説明 上左:出入国管理官と列車に乗り込もうとする人たち。上中:ジョホールバル駅の警察。上右:ジョホールバル駅の警察官。)

 さて,いよいよジョホールバル駅に到着する。マレーシアからの出国である。
 マレーシアからの出国の場合には列車の座席に座ったままである。マレーシアの出入国管理官が列車に乗り込み,順にパスポートを見て回る。自分のところにやってきたのはムスリムのおねえさんだった。パスポートを見て,入国のスタンプの下にサインをする。単なるサインで終わるのだった。
 列車の乗客すべての点検が終わると,次に駅にある出入国管理事務所から列車に乗り込む人がいる。なぜここに人がいつまでもいるのだろうと思っていたのだが,列車に乗り込むのを待っている人たちだった。
 ちなみに,出入国管理所の隣に警察があったが,警察官はムスリムの女性だった。
 いよいよ,ジョホールバルをあとにし,マレーシアを出国するが,予定では13:48発の列車が,すでに55分遅れで14時43分頃出る。

車用のゲート 車用のゲート ジョホール水道
シンガポール入国のための車の列 (写真説明 上左:車用のゲート。上中:車用のゲート。上右:ジョホール水道。左:シンガポール入国のための車の列)

 ジョホールバル駅を出るとすぐにジョホール水道である。そこには道路の出入国管理のゲートもあった。そして,鉄道に併走している道路を見ると,えらく渋滞である。こちら寄りの自家用車の車線は空いているようだが,中央寄りが貨物などの車線らしい。これが結構な車列である。シンガポールへの入国のための列のようである。

ウッドランド駅 ウッドランド駅 (写真説明 上左:ウッドランド駅に着く。上中:ウッドランド駅からまもなく出発する列車。)

 10分も走らずして,シンガポール側の入国管理を行う「ウッドランド駅」に着く。今度はすべての荷物を持って降りなければならない。とにかく全員の乗客の入国審査が終わらなければ列車も出発しないので,待つのは暇である。また,入国審査が終わってもすぐには列車には乗れない。列車の中の掃除(というより点検)があるからで,出口のところは閉まったままである。
 ようやく出口が開いてホームに出るが,銃を持った警察官がいる。先頭の機関車の撮影に行ったが,しっかりとこちらを見ている。
 着いてから出発まで約40分である。
 駅の周りはすべて有刺鉄線が張り巡らされている。いったいどこまでこの有刺鉄線が張り巡らされているのだろうと思ったが,このウッドランド駅から延々1km近くは車窓から有刺鉄線が見えた。

Bukit Timah駅 Bukit Timah駅 Bukit Timah駅
Bukit Timah駅
(写真説明 上左:Bukit Timah駅。上中:Bukit Timah駅の駅員のおじさん。上右:Bukit Timah駅の転轍機の小屋。Bukit Timah駅出発)

 いよいよ高層建築が見えてきて,シンガポール駅かと思ったら,一つ前の別の駅「Bukit Timah駅」に止まる。すれ違いの列車待ちである。よく見るとおじさんが手動の転轍機(線路のポイントの切り替え機)を動かしている。昔は日本でも手動でやるのが当たり前だったが,見ていると懐かしいので撮影した。このおじさん,出発の合図など,何から何までひとりでこの駅を仕切っているのだった。

シンガポール駅に着く 到着した列車 線路の終わり
(写真説明 上左:シンガポール駅に着く。上中:ホームの時計は4時10分。上右:線路の終わりが終着駅で,始発駅であることを物語る。)

シンガポール駅 シンガポール駅から道路に出る (写真説明 左:シンガポール駅の外観をバスの中から撮影。右:駅から道路へと出る。)

 さてようやくシンガポール駅に到着である。予定より1時間あまり遅れている。
 シンガポールのガイドさんのお迎えである。
「1時間遅れ?早いじゃないですか。4時間5時間遅れもよくあるんですから,今日は早いもんです。」と言われて,妙に納得するのだった。