1990年9月20日より24日まで,金沢のアートシアターいしかわ全フロアーで「藤井肇美術展覧会」が開催されました。
1990年までの藤井肇の作品を集めたこの展覧会は,全部で108点の作品が3つの会場に展示されました。
と同時に5日間を通じ,毎日日替わりで藤井肇の友人知人がこの展覧会を祝ってイベントを催しました。
それでは,この展覧会を開くにあたっての藤井肇のことばを載せてみましょう。
藤井 肇 美術展覧会を開くにあたって
1930年ころに生まれた人間たちが,なぜか近ごろ,まるで秋を迎えた木の葉のように,パラパラとこの世を去っていきます。
もの心がついてからのことを振り返りますと,今までこの国に生まれた人間たちの中で,,これほどまでに,めまぐるしく,急速に,権威,世の中というものが変わっていくことを体験した人間たちは1930年代生まれ以外には,無いのではないかと思います。
そのせいか,でもありますまいが,1970年ころからの自分の作品を今度のようにならべてみますと,これが同一人物が作ったのか?と他人には思われるほど次々と変容していっております。
外界がそのようにめまぐるしく変わっていたからか,もともとそのように変わる移り気な気質なのか,しかとは決めれませんが,その時,その時作りたいものを誰にも遠慮しないで好きなように作ってきたからとは,はっきり言い切れます。
1993年,東洋人の1サイクルを物理的に自分に打たれる前に,自分自身のピリオドを自分が打ちたくて,友だち,仲間に協力していただいて,この展覧会を開くことができました。
みなさん,ありがとうございます。
でも,少しみんなのために,少し自分のために,といういままでの生きかたは,きっと変わることはないと思います。
そのために,いろいろとご迷惑をおかけすることと思いますが,なにとぞよろしくお願いいたします。
1990年9月
藤井 肇
第1会場です。
最近の作品が中心です。
第2会場です。
初期の作品が並んでいます。
第2会場の真ん中には1990年8月の「吉野谷村’90御仏供杉」の作品の陶器21点「一揆衆」が並べられていました。
第3会場にはステージがあります。
ステージ上には「ビババビバ」が並べられ,このステージで5日間いろいろなイベントが行われました。
9月20日はインド舞踊,21日はクラシックの演奏や独唱,合唱,22日は民謡,舞踏,23日はサンバ,24日はクラシックでピアノ演奏と独唱でした。
実にいろいろな催し物があったものです。
この展覧会に出品した全108点の作品リストです。
いくつかのものはそれぞれの展示室に展示してあります。
それらは題名をクリックすると作品を見ることができます。
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制作年代 | 題名 | 出品展覧会 | サイズ(cm) |
---|---|---|---|
1969 | 四つの壜の跡1 |
第6回 北陸中日美術展 |
162.0×130.3 |
1969 | 四つの壜の跡2 |
第6回 北陸中日美術展 |
162.0×130.3 |
1969 | 4台目が消える |
第9回 現代日本美術展 |
162.0×130.3 |
1970 | しわ |
第4回 シェル美術賞展 |
162.0×130.3 |
1971 | しわ | 東京村松画廊個展 | 162.0×130.3 |
1971 | 団地のはずれも |
第10回 現代日本美術展 |
162.0×130.3 |
1971 | 鎮守の森も |
第27回 現代美術展 |
162.0×130.3 |
1978 | 「流刑地」「密狩地」「収用地」 |
第3回 日本海造型展 |
162.0×130.3(2点) |
1980 | ベゼクリック | 東京村松画廊個展 | 227.3×181.8(3点) |
1980 | 80.1.31 |
第4回 日本海造型展 |
227.3×181.8(3点) |
1981 | ベゼクリックシリーズ |
第5回 日本海造型展 |
162.0×130.3 259.0×194.0(2点) |
1982 | ベゼクリックシリーズ |
第6回 日本海造型展 |
227.3×181.8(2点) |
1982.4 | トルファンの夜 |
第38回 現代美術展 |
145.5×112.0 |
1983.4 | ポダラ記 |
第39回 現代美術展 |
145.5×112.0 |
1983 | シルクロード記 |
第20回 北陸中日美術展 |
162.0×130.3 |
1983 | アスターナ日記 | 金沢美大同窓展 | 145.5×112.0 |
1984.11 | ロズノーブルの花嫁 |
第21回 北陸中日美術展 |
145.5×112.0 |
1984 | ベゼクリックシリーズ | 東京村松画廊個展 |
227.3×181.8(2点) 259.0×194.0(2点) |
1984 |
あふりか あふりか1 あふりか2 あふりか3 あふりか4 |
日本海造型会議 輪島展 |
180.0× 90.0(4点) |
1985 | 南緯・北緯35度間で |
第9回 日本海造型展 |
259.0×194.0(2点) |
1986 |
ラサヘの道 ラサへの道1 ラサへの道2 |
第10回 日本海造型展 |
180.0×180.0(2点) |
1986.11 | 僕の発掘A.B.C |
第23回 北陸中日美術展 |
90.0×270.0 |
1987.7 | 拉薩の印象 | 拉薩印象小品展 |
33.3× 24.0(6点) 41.0× 31.8(2点) |
1987.12 |
僕の帰る道 僕の帰る道1 僕の帰る道2 |
第11回 日本海造型展 |
259.0×194.0(2点) |
1988 | ビババビバ |
第12回 日本海造型展 |
180.0× 90.0(5点) |
1988.4 | チャイナシンドローム |
第44回 現代美術展 |
116.7× 91.0 |
1988.4 |
ビフォア・チェルノブイリ ビフォア・チェルノブイリ1 ビフォア・チェルノブイリ2 |
石川県 教職員美術展 |
259.0×194.0 |
1988 | 93年3月∞XDAY |
第13回 日本海造型展 |
180.0× 90.0(6点) |
1988 | W露光35M |
第45回 現代美術展 |
116.7× 91.0 |
1989.4 | 35+12+6=0 |
第46回 現代美術展 |
116.7× 91.0 |
1989.5 | 34・13・6・12 | 金沢美大クラス展 | 33.3× 24.0(2点) |
1989.8 | 36・11・6・12 | ビッグフォー出品 |
60.6× 50.0 259.0×194.0(2点) |
1989.10 | GENPA岬ストーリー |
石川県 教職員美術展 |
116.7× 91.0 |
1989 | ヘリドクバラ |
第26回 北陸中日美術展 |
162.0×130.3 |
1990 | 厄界 |
第14回 日本海造型展 |
180.0× 90.0(4点) |
1990.4 | 恐怖のグリーン |
第47回 現代美術展 |
116.7× 91.0 |
1990.8 | 近くて遠い国 | 桜美会出品 | 60.6× 50.0 |
1990.9 | ヘリ・パラシリーズ | 藤井肇美術展覧会 | 33.3× 24.0(14点) |
1990.8 | 一揆衆 | 吉野谷村,90御仏供杉 | 陶器(21点) |