ふじいはじめ サーカス インスタレーション
1997年11月6日より19日まで金沢市民芸術村において「ふじいはじめ サーカス インスタレーション」が開催されました。
これは金沢市民芸術村アクションプラン’97の主催により,藤井肇が企画制作したものです。
金沢市民芸術村のアート工房の空間を利用して,藤井肇の教え子グループや市内の小中学校の美術教師の有志などがさまざまな作品を展示したものです。
6日から7日にかけては公開制作も行われました。
(市民芸術村のアート工房の外観 元は工場でした。この建物は通産省(当時)のグッドデザイン大賞を受賞しています。)
<おまけ>
タイトルに使ったのは藤井さんからもらった案内状です。この中にまちがい(?)があります。本人は最初ちっともおかしいとは思っていませんでした。さて,おかしいのはどこでしょう?
自画像のある入り口風景。
(撮影:姫野 治雄 氏)
車いすで上がれる私設スロープ。
(撮影:姫野 治雄 氏)
ユーモラスなロボット,人形,ブランコ。
(撮影:姫野 治雄 氏)
展示作品には
1991−1997年9月制作 代表作品
1997年10月−11月制作作品
平面オブジェクト
があちらこちらに散らばっています。
この日はここでミニコンサート。
出場の少年たちがリハーサル中。
置いてあった車いすを使って,一番上のところまで上ってみる少女たち。
このインスタレーションによせる藤井さんのコメントです
サーカス CIRCUS は,円形広場という意味もあります。
金沢市民芸術村アート工房は,円形広場ではありませんが,SQUAREでもありません。
階段状の展示フロアーのあるアート工房を,CIRCUS(いろいろの街路の集まる)に見立てて,藤井肇といろいろの人々が集まり,11月6−7日,一緒に今まで金沢になかった形の美術展をつくります。
それは,共同制作でもなく,藤井肇の設計,指導のもとに制作するというものでもありません。
それはまさしく,CIRCUSといえます。
(下に続く)
藤井さんにもらった案内ハガキの写真です。その構想が色とりどりのペンで書き込まれています。
という趣旨で,制作し,展示しております。
制作,展示の経過の中で私たちが学んだことは,
・カルチャーセンターばやりだが,従来の画廊形式での作品発表では満足しない層の人たちが増えてきていること。
・そういう人たちが,市民芸術村を利用し,発表すればよいのだが,市民芸術村への偏見があること。
・車椅子を健常者が乗り回してみて,はじめて車椅子の,介護の問題点が実際にわかること。おざなりのバリアフリーは帰って危険であることを認識した。(市民芸術村のことではない)
・中学校卒業以来初めてボランティアで,同級生同志でアートをやってみて何とも言えない爽快な満足感を体得したこと。
・なのに,完全学校五日制に向かって,美術などが,雑教科といわれて,切り捨てられようとしていること。なのに,「心の教育」がやかましい。
以上,藤井肇といろいろの人が,いろいろな発想,素材,技法でいろいろな形で造った作品を,訪れられたいろいろな人々に,いろいろ楽しんでいただく,アートは楽しいものである。そんなことを味わっていただく,そんな美術展です。
この美術展を見ているうちに日も暮れてしまいました。
外へ出るともう暗くなり,市民芸術村の建物もライトアップされていました。
<おまけの答>
「ふじいはじめ」の「は」の字がおかしい。
これを書いた藤井さんも最初おかしいと思わなかったそう。
「まじめ」?「ほじめ」?さてなあに?