分類:和食
所在地:京都府与謝郡伊根町
探検時期:2010年10月
今回の探検目的:宴会
今回のお品書き:温泉1泊2食
今回の所要経費:12600円
探検隊の報告:
京都は丹後半島へとやってきた。目的は墓参りである。お天気は下り坂。しかし,何とかひどい雨も降らずに墓参りが終わる。そうしてやってきたのがここ伊根にある「油屋」である。
ここは,こんな田舎(と言っては失礼だが,でも全くの田舎)にいきなり現れる近代的な建物である。もちろん高層ビルではないが,まだまだ新しく,きれいな建物である。そして和風の造り。
5時過ぎに到着し,まずは温泉に浸かる。露天風呂もあり,のんびりと日本海を眺めながらお湯に浸かる。そして,夕食である。
この夕食にはしっかりとお品書きがついていたので,それを元に紹介しよう。
まずはこんな感じでの配膳である。
左にせいろ蒸しのせいろが,右にはご飯のお釜が用意してある。
部屋は地階にある細長い部屋。今夜は3組のお客が入っている。それぞれに同じような準備がしてある。足を投げ出せる掘りごたつ風の造りなので,足をおろし,ゆったりと食事である。まあ,食事と言っても,晩酌であり,ビールをもらって,まずは乾杯である。いや,その前に「食前酒 油屋オリジナルワイン」がグラスに注がれている。
「先附 きのこの朴葉味噌和え」が左に見える。ちなみにお品書きを読んで「光附」って何?初めて聞いた,新しい料理用語?などと思ったが,何のことはない,行書体で,しかも文字が小さいため「先」を「光」と読んでしまったのだった。年取ると老眼鏡なしでは小さい文字が読めない。困ったもんだ。(おまけの報告の「お品書き」参照)
ついでながら,本当に「光附」という料理用語があるのかと思いネット検索したが,当然そのような用語はない。しかし,いくつかのサイトで「光附」と記載してあるものがあり,笑えた。中には料理屋のサイトでさえ間違っている。達筆の行書体のお品書きを渡して,サイト制作を外注したら,読み間違えたのだろう。
右下は「酢物 もずくの中華仕立て」。かなり会席料理の順番(お品書きの順番)を無視して,出てきている。酢の物は9番目に書いてあり,ごはんの直前なのだが,すぐに出てきた。
ついでながら,上のふたをしてあるのは玉子豆腐。
「向附 地魚盛り合わせ」「焼物 地魚焼き物」「替鉢 玉子豆腐」である。
持ってきてくれるたびにお姉さんが中身を説明してくれるのだが,すでに忘れてしまっている。刺身はいったい何だったのか?何であれ,地魚であり,美味かった。
ちなみに「玉子豆腐」も上の写真のように早くから登場。替え鉢だから,何かと引き替えかと思うが,はじめの方から登場している。なにしろ,酒飲みだから,まあ酒の肴がどういう順番で出てきてもかまわないのだが…
「凌ぎ 伊根のへしこ寿司」。へしこを味わいつついただくのだが,一口でほおばるという,情緒もへったくれもない食べ方である。
ちなみに「凌ぎ」は凌ぎだから,先付の次ということになっているが,今度はちょっと後に出てくる。このあたりで凌ごうということか。
さて,この「強肴 海鮮セイロ蒸し」は,大きなせいろに海鮮ものや野菜がいろいろと入っている。
海老,ホタテ,サザエ,ブロッコリー,とうもろこし,しめじであろうか。
お姉さんがぱちんと火をつけてくれて,あとは待つことしばし。もういい頃ですよといわれてふたを取り,いただく。熱々のできたてをいただくのが美味い。
「揚物 天麩羅または唐揚げ」となっているが,今回は天麩羅である。つけ塩でいただく。
それにしても,この油屋はなかなかのにぎわいである。都会からは遠く離れた田舎であるにもかかわらず,小綺麗な建物,温泉,日本海の眺め,などで人が来るのだろうか。あるいは,このような料理に惹かれて来るのか。それとも宣伝の効果か。
そもそもここに来ることになったのは,老親が某雑誌でここを見かけたからである。もともと墓参りで丹後に来る予定であり,泊まるところはどこでもよかったのだが,老親がぜひ行ってみたいということで来た。宮津市にいつも泊まるのだが,そこから余分に1時間はかかるだろうか。確かに,そうまでして来るだけの価値はあるかも知れない。ひっそりとお忍びの旅にでも向いていそうな宿である。というか,すでに人が多すぎるので,もはやお忍びには向いていないが……
やはり,料理がいいのだろうか。まあ,くり返し来たくなるような工夫は,やはり雰囲気,おもてなし,料理であろうか。
さて,最後の方にはごはんである。
これはわざわざおねえさんにもういいと思うので,炊いてくださいと言ってしまったが,そんなこと言わなくても,しっかりと機会を見計らってやってくれるようである。
というか,まだまだ飲んでいたので,そんなに早く頼まなくてもよかったのだった。なにしろほかのお客たちは,酒もたくさん飲むわけでもなく,とっとと去っていくので,こちらもいい加減にごはんを頼もうかと思ったのだった。ちと早すぎた。
まあ,それはいいとして,上左は火が入っている状態,上右は炊きあがりましたよ状態,そして左はよそいましたよ状態である。野沢菜ごはんの釜飯ということである。止め椀は赤だし汁,香の物3種盛りである。
最後にデザートがメロンゼリーとミニケーキである。
残った釜飯をおねえさんがおにぎりにしてくれる。夜食にでもどうぞということである。
これが油屋のこの日の晩ご飯であった。お品書きは「神無月」となっているので,月替わりにまたいろいろな工夫がなされるのであろう。
さて,これが朝ご飯である。毎度お馴染み旅に出ての豪華朝ご飯である。
温泉カレイと海苔がいかにも温泉らしい風情である。
それから,帰り際にフロント近くの喫茶コーナーでコーヒーを飲んだ。窓際にカップを置き撮影。向こうは日本海である。夕べより雨が降り,遠くはかすんでいるが,晴れた日にはきれいな海が見えることだろう。このように高台にあるということも,そして,何も遮るものがないということも,眺めをよくしている。地の利である。
こうして1泊2食の滞在が終わったのだった。なかなかよい宿であった。
探検隊おまけの報告:
この日のお品書き
2つ目は「先附」なのだが「光附」のように読めるでしょ。