分類:和食・洋食・中華
所在地:石川県七尾市和倉温泉
探検時期:2011年12月
今回の探検目的:1泊2食
今回のお品書き:宴会+2次会+朝食
今回の所要経費:宿泊代金(1泊2食)18500円,1次会飲み物均等割 約2550円, 2次会経費均等割 約3445円
探検隊の報告:
忘年会である。久しぶりの和倉温泉である。仕事を終えてから行くので,貸し切りバスをチャーターして行く。午後5時過ぎに金沢を出て,はていったいいつ着くのやらと思ったが,6時半過ぎには着いた。それからとにかく温泉に浸かり,大宴会である。
今回は和倉の「あえの風」である。一応和倉でも大きな旅館である。総勢23名で参加しているが,宴会場はコの字型ではなく,櫛形になる。
さて,お品書きはきちんと書かれたものが用意されている。それを元に紹介しよう。
まずはこれが最初の状態。食前酒,先付,酒肴,前菜,酢物それとあとは火をパチンとつけるばかりの台物と温物が載っている。
食前酒とは言いながら,「ゆずみつ」であり,ノンアルコールである。お酒を飲めない人に配慮して,誰でもが乾杯できるようにとの配慮であろうか。
先付と酒肴である。先付は「自家製湯の香豆腐」となっている。
酒肴は「鯛松皮胡麻和え」である。
「自家製湯の香豆腐」にはその由来書きがついている。紹介すると「和倉温泉入りのこだわりの自家製豆腐。北陸の豆と天然のにがりと源泉を使った手作り。和倉の湯に因んで湯の香豆腐と名付けました。」とある。
前菜には四品載っている。「能登珍味 干くちこ」,「能登なまこ 能登娘おろし」,「七尾祝い料理 えびす」,「柿バター」である。
こちら「干くちこ」の封を開けたところ。これにも由来書きがついている。「糸ほどしかないナマコの卵巣を何本も重ね,陰干しにして作られるのが干くちこです。真冬の能登,七尾湾でごくわずかしか生産されず,まろやかで深みのある香ばしい独特の風味は,まさに筆舌しがたい天恵,希有の趣です。」とある。
干くちこ1枚にはナマコが30匹から50匹くらい使われているそうだが,その1枚でまあ5000円くらいもする。この出てきたくちこ一切れにしても,100円はするだろうから味わっていただかなくてはならない。どんな味?と聞かれても,それはもちろん「筆舌しがたい」味である。
また,「えびす」にも由来書きがある。金沢人にとってはありふれた料理なのだが,この地以外の人々にとっては,珍しい郷土料理ということになるのだろう。「【加賀能登の祝い料理】名の由来は諸説ありますが,寒天のつるつるした食感を「べろべろ」と表現したようです。これは愛称で,正式な名は「えびす」です。」とある。どんな料理かと一言で言えば「だし汁に入れた溶き卵を寒天で固めたもの」って感じか。
酢物は「ずわい蟹」。冬の味覚だなあ。
途中でお造りが出てくる。
「雲丹,鰤,甘海老,鱈子付け,鮪」である。
刺身も美味い。
こちらは台物。パチンと火がつけられて,温められる。
「能登豚と海鮮いしる鍋 コラーゲン」と書いてある。
右できあがり状態。ま,写真ではいったいどっちがどうなの,って感じではあるが。「いしる」は能都地方で作られる魚醤であり,いわば醤油みたいなものだ。
こちらは温物と書いてある。中身は「あんこう治部煮陶板焼き」。
左はふたをしたままの状態,右はできあがり状態。
「治部煮」というのも金沢の郷土料理である。金沢では鴨肉を使ったものをさすが,ここでは料理の方法,味付けそのものを治部煮として供している。
途中で煮物が出てくる。「鰤大根田舎煮」とある。
ここまで,すべての料理を食べ尽くし,最後は締めのご飯である。「さざえ古代米おにぎり茶漬け」である。おにぎりを崩していただく。こりこりとしたサザエが出てくる。そして香の物。「山葵昆布 大根 人参 小松菜」である。
この古代米にも由来書きがある。「中能登町の古代米 昭和62年12月に旧・石川県鹿島郡鹿西町(ろくせいまち)杉谷チャノバタケ遺跡から,約2千年前の弥生時代のものと推測される日本一古いおにぎりが発掘されました。以来古代米が注目されるようになりました。白米に比べタンパク質,ビタミンB1B2ナイアシン,ビタミンE,鉄,カルシウム,マグネシウムが豊富に含まれています。」とある。ふーんそうだったのか,と感心しつつも,お茶漬けをすべて平らげる。
ここで終わったか,と思いきや,デザートがあるんだった。
「柔らかプリン 黒蜜」とあるのだが,おまけに雪だるまが乗っかっている。この雪だるまは何だったんだか?あまり甘い物は食べないのだが,プリンだけはいただいた。だが,雪だるまは味わっていないのではて,何だったのか?
というようなことで1次会が終わる。なかなか美味しかった。途中でゲームが入り,間があいて,ちょいとばかり酔いが覚めたのもよかったのかもしれない。
さて,2次会である。館内にはいろいろな施設があるのだが,今回はカラオケなどもあるホールへは行かず,「季楽亭」といういわば居酒屋風のところである。3つのテーブルに分かれてそれぞれに好きな物を注文する。今回の所要経費を均等割したら3500円弱であるから,結構いろいろな物を食べて,飲んで,割と安上がりかもしれない。いつも金沢の片町や香林坊で2次会のスナックみたいところへ行くと,ろくに食べもせずに4000円払うなんてよくあることだ。それに比べて,今回は好きな物を注文して,みんなと語らい,なかなかよかった。しかもカラオケなんかはないので,十分に語り合うことができる。まさしく忘年会にうってつけである。
では自分のテーブルの料理を紹介しよう。なにしろ一番の通路側にいたので,すべて自分が関所になって,撮影してはみんな回した。なにしろ「満腹探検隊」であることを宣言してあるので,撮影することにみんな協力的である。自分のテーブルは8人で,それぞれに好きな物をまずは一品ずつ注文したのだった。
飲み物は加賀の地酒「菊姫」の純米酒。四合瓶で注文する。4000円也。生ビール1杯が990円だから,それに比べると,今純米酒の方が割安かもしれない。
ちなみにつき出し300円也。
牛すじ煮込み(600円也)これは自分の注文である。またもやどこへ行ってもすじ煮込みあるいはもつ煮込みを注文するのだった。
その横の枝豆(400円也)
野菜スティック
(600円也)
漬け物盛り合わせ
(400円也)
たこ焼き
(700円也)
生ハムサラダ
(750円也)
サラダ
(600円也)
炙りサーモン
(800円也)
こんなところが我々のテーブルの注文したもの。
さて,途中で隣のテーブルに四合瓶を持って移動する。そうすると,そのテーブルは若者が多く,ラーメンを注文している。4種類のラーメンである。ついでながら,それを撮影。醤油ラーメン,味噌ラーメン,塩ラーメン(各950円也),海鮮いしるラーメン(1000円也)である。少々ご相伴させていただく。
そうこうしながら夜が更ける。いや,この居酒屋2次会パターンもいいね。いろいろ食べられるし,ゆっくり語ることもできる。とかって言いながら,いったい何を語ったのかは忘れているのだが。このあとは幹事部屋に帰っての3次会である。しかし,そこでビールを飲んだあとは,前後不覚で畳の上でのうたた寝である。自分の部屋に帰ったのは午前3時過ぎだろうか。酔っぱらいのおじさんである。
さて,朝食はバイキングである。和食をいろいろととってくる。まあ,とってきたものを撮影してもほかにもたくさんの種類があり,紹介しきれないし,食べ尽くせないのだが,一応,ご飯に合いそうなものをいろいろ持ってくる。温泉カレイ,めざし,ままかり酢漬け,湯葉,ひろず,出汁巻き玉子,自家製豆腐,イカ明太など。味噌汁は2種類から選択。これは赤だし。お代わりできるので,このあともう1種類の田舎味噌の方もいただく。なにしろ二日酔いのおじさんには味噌汁のお代わりはありがたい。そのほかにもオレンジジュースにグレープフルーツジュースに牛乳を1本とひたすらに水分補給である。最後の締めにはホットコーヒーである。こんなのがバイキング形式のいいところだろう。
ご飯のあとには朝風呂に浸かりに行ってくる。
天気予報通り雪が降り始めた。最後に6階の泊まった部屋からの眺めを紹介しておこう。この「あえの風」では全室から海が見える。雪が舞い,どんよりとした空の七尾湾である。いや,いい1年の締めくくりだったね。
探検時期:2015年11月
今回の探検目的:1泊2食
今回のお品書き:会席料理
今回の所要経費:宿泊代金(1泊2食・酒代などすべて込み)は一人あたり29977円
探検隊の報告:
同業者のちょっと早い忘年会である。
今回の会場は久しぶりの和倉温泉。「あえの風」である。2時頃に金沢を発ったのだが,ノンストップで「のと里山海道」を走ってきたので,3時過ぎには和倉温泉に着いた。
部屋まで案内され,入ると浴衣の大きさの確認をして適切な大きさのものを持ってきてくれる。そして,1階のラウンジはフリードリンクだそうで,自由に飲み物を飲んでいいらしい。特にお茶券ももらえて,これを出すとお茶とお菓子のサービスである。しかし,自分はお菓子よりも温泉に浸かってビールの方がいいので,この券は使わない。
この日はいまいちのお天気である。いや,11月下旬のこの季節,天気が悪い方があたり前の加賀能登である。雪が降っていないだけましと言わなければならない。そんな窓からの曇り空の眺めを撮影しておいた。眼下には七尾湾,向かいには能登島が見える。
この同業者の場合には土曜・日曜とやるのでのんびりと和倉温泉で忘年会をすることもできる。しかし,職場だとみんな土日の温泉行きにはなかなか賛成しない。小さい子どもがいるせいか,土曜の夜は不在にしたくないらしい。自分の経験では我が子などたまに両親がいなくて,祖父母宅にお泊まりするのが楽しみだった。今どき子どもを預けられる祖父母宅も近くにないのか,そこまでして職場の付き合いなんかしたくないのかよくわからない。女性でも夫に子どもを頼めばいいようなものだが,それもしないのか,できないのか。あるいは祖父母にたまに自宅に泊まりに来てもらうのもいいのではないかと思うが,これまたそこまでして職場の付き合いをしたくないのか,まあわからない。自分が若かった頃は「宴会に出るのも仕事のうち」と言われたものだが,今どきそんなこといっても自分中心主義の若者には通じないらしい。
などという長い前置きではあったが,自分は3時過ぎにはここ「あえの風」にたどり着き,温泉に浸かって,宴会までに缶ビール2本,缶のハイボール1本を飲んでしまい,早く着いた者が「じゃ,麻雀でもしますか」というので,練習試合をしていたのだった。
では以下,料理にはお品書きと解説が付いていたのでそれを書き写しておこう。「」内はすべてついていたお品書きの文言である。
こちら始まりの状態である。
「能登の彩菜
能登の心地よい,風を集めて。
あえの風が運ぶ,
海からの幸・山からの幸。
豊漁・豊作をもたらす
と伝えられる「あえの風」。
その名にふさわしい,
地元の海の幸・山の幸を
ふんだんに盛り込んだ料理を
存分にご堪能ください。」
これがお品書きの前書きである。
「食前酒 柚子みつ」
今夜はこの会の会長として最初の挨拶兼乾杯の音頭を頼まれる。なので,これを持って下座へと向かう。みなさんを慰労し,みなさんの健勝を祈って乾杯である。
「柚子みつ」もいいけど「壇蜜」もいいなあ。壇蜜のお酌だと,一段とお酒も美味しかろう。いや,ただのおじさんの発言である。
「あえの風伝統『湯の香豆腐』」
「三日間かけて,和倉の源泉と北陸産大豆をブレンドして作っています。源泉の効果も加わりお肌にもよいと評判です。」
そうそう,温泉では源泉がわき出ていて,それを一口飲んだがかなり塩辛い。さすが海辺の温泉である。
もう一つ小さなしおりもついている。
「北陸の豆と天然のにがりを使い,豆ひきからすべて調理師の手造り。和倉の湯に因んで湯の香豆腐と名づけました。幸をもたらすという「あえの風」ならではの味をご賞味下さい。」
「酒の肴 旬なまこ酢 能登娘」
右上である。
「能登娘」とは「能登産の紫色の大根。能登むすめの特徴は,ポリフェノールが含まれ,消化酵素も青首大根の焼く3倍含まれているといわれています。」
「酒の肴 鮟鱇南蛮漬」
左上である。
「前菜 かぶら寿司 烏賊トンビいしる焼き 干し柿 黒豆 海老香煎揚げ 胡桃ポテト」
この竹の網がかかっているのが「前菜」一式である。
「いしる」とは「日本三大魚醤 石川県『いしる』 秋田県『しょっつる』 香川県『いかなご』 イワシやイカの内臓・頭・骨を塩漬けにし発酵させた魚醤油。」
「烏賊トンビ」とは「イカの口の部分の通称。イカ一パイから一個しか採れないこの珍味は,能登地方でも昔からイカ釣漁師の間で食べられていた。」
「かぶら寿司」とは「北陸地方に多い”なれずし”である。塩漬けにしたカブで,塩漬けにしたブリの薄切りを挟み込み,細く切った人参や昆布などとともに米麹(糀)で漬け込んで発酵させたものである。」
「お造り 旬の盛り合わせ」
ということで,ブリ,鱈の子づけ,甘えび,あとは何とか言う貝ともう一品何だったか。とにかく美味しくいただいたのであるが,何だったかは覚えていない。まあ覚えていないのはいつものことなので,こんなものである。
まだまだ料理も前半ではあるがすでに日本酒をもらう。常温の酒である。何しろ宴会前に缶ビール2本とハイボール1本飲んで結構それだけでお腹がふくれていたので,料理をしっかりと食べるために量的には少ない日本酒に変更したのだった。
「郷土料理 鰤大根田舎風 蕪おろし添え」
左は届いた器。右開けたところ。
「鰤大根」とは「ブリのアラを大根と一緒に醤油で煮付けた北陸の郷土料理。ブリに脂が乗ってくる季節である冬の料理。」
「焼物 特選牛 溶岩プレート焼き ねぎ唐辛子味噌」
左最初の状態,右できあがり状態。
このねぎ唐辛子味噌がなかなか美味しかったね。最後にごはんにつけて食べるの忘れてた。
何しろいつも料理を残すことはない。すべて食べ尽くす。
「台の物 海鮮ブイヤベース鍋 鱈白子 のど黒 能登しいたけ」
「能登しいたけ」とは「椎茸の品種名『のと115』。能登の気候風土で育つ『のと115』椎茸は,ほどよい甘みと引き締まった厚肉が特徴。直径が10cm以上にもなる特大椎茸。」
このブイヤベースが美味しかった。って何でもすべて美味しかったのだが。特に汁物が好きなのでこのような料理は好みである。ノドグロが入っているのも,今の加賀能登の流行か。確かに美味しい魚ではある。
「変り皿 能登野菜 中島菜うどん」
「中島菜」とは「七尾市旧中島町で古くから食べ継がれてきた能登の伝統野菜です。中島菜にはアンジオテンシン(ACE)という酵素の働きを妨げて,血圧上昇を抑える『水溶性ペプチド』が多く含まれています。」
「冬の味覚 ずわい蟹」
今シーズン初めて蟹を食べる。まあ金沢にいたら蟹はとりたてて珍しくはないのだが,最近自宅では買ってこないので,今シーズンは初めての蟹である。
「御飯 能登産こしひかり
留椀 田舎味噌 あおさ
香の物 盛り合わせ」
ということで,締めのご飯である。通常なら毎晩御飯は食べないが,温泉に来ると出たものはいただく。アオサの味噌汁が美味しい。
「果物 胡麻プリン」
そういえばこいつは胡麻プリンだったのか。自分は食べないので隣に座っているこの会の副会長に進呈する。
そして締めは副会長の挨拶である。
いやはや美味しい料理とお酒でいい温泉忘年会だったね。このあとはのんびりしようと思ったのだが麻雀のお誘いがかかる。みんなと部屋で語り合うこともなく麻雀部屋へと移動してしまった。
翌朝は眠い目をこすりながらの朝ごはんであった。バイキング形式だが美味しい料理であった。のんびりと最後に海を眺めながらコーヒーを飲み,水分補給をしたのだった。
探検隊おまけの報告:
くわしくはウェブサイトへどうぞ:あえの風のウェブサイト(外部リンク)