分類:和食
所在地:長野県諏訪郡下諏訪町御田町下3190-9(下諏訪温泉の衣紋坂の途中)
探検時期:2024年11月
今回の探検目的:宴会
今回のお品書き:
豆腐の土佐揚げ+牛すじ煮込み+馬モツ煮込み+瓶ビール+お通し×2
今回の所要経費:
700円+650円+650円+800円+150円×2→3100円
探検隊の報告:
旅に出ると地元の人たちとのふれあいがあって面白い。
いや,それよりも,たっぷりと熱燗をおごってもらって,ありがとうございます。
今日は天気のいいのに誘われて,突然に下諏訪温泉にやって来た。湯巡りのできる温泉地を探したところ,ここ下諏訪温泉にも「三湯めぐり」というのがあり,来たことがなかったので,やって来たのだった。
朝突然に来ることにしたので,出発も遅く,下諏訪温泉に着いたのは午後5時頃。まずは下諏訪駅前の観光案内所に行って,パンフレットをもらったり,「三湯めぐり」のチケットを買ったりした。それから素泊まりの旅館に車を置いて,まずは「三湯めぐり」の一つの「遊泉ハウス児湯(こゆ)」に浸かったあと,呑みに出る。
そうしてやって来たのがここ衣紋坂(えもんざか)の途中にあるその名もまさしく「衣紋坂」であった。
観光案内所で,呑みに行くのにいいところはないかと聞いて,まず一番に教えてくれたのがここ「衣紋坂」だった。
そのほかにも「『飛やじ』もいいけど,今日は金曜日だし,予約でいっぱいかもしれないなあ。あとは『丸一』。こことんかつ美味いよ。それにうなぎだったら『うな富』かな。」ということだったが,とんかつとうなぎはまあ下諏訪でなくてもいいかなということで,ちょっとだけ町巡りをした。
いくつかスナックやらバーに居酒屋もあったし,まるで地元のみなさん御用達という店もあったが,まずは近い順に「飛やじ」に行ってみると,言われたとおり「今夜は予約でいっぱい」とある。それではとやって来たのがここ「衣紋坂」だった。
奥の方ではすでに宴会が盛り上がっており,空いているカウンター席に連れあいと2人座る。
まずは瓶ビールを注文して,お品書きを眺めるが,お品書き1ページ目の最初に「お勧めメニュー」として3品載っており,「牛すじ」に「モツ」と2人とも好きなものが並んでいたので「じゃ,この3品」と言って注文したのだった。
瓶ビールで乾杯をして,ほどなく「お通し」がやって来る。上品な味わいの煮物。
そして,1品目の「牛すじ煮込み」がやって来る前に,カウンター席に地元のおじさんがやって来た。大将とはまったくもって顔なじみらしく「生ビールと熱燗ね。」と言ってカウンター席に座る。
呑み始めたおじさんが「どちらから?」と声をかけてくるので,そこから会話が始まり,「まあ一杯どうぞ。」と熱燗を勧めてくれる。この熱燗がいける味。「高天」という酒らしく,このあたりでは最も普及している日本酒らしい。
そうして仕事のことやら年のこと,仲間のことなどを語りつつ,たっぷりとお酒を注いでくれるのだった。
こちらはやって来た料理を食べる暇もないほど,いろいろと話が弾み,いったい熱燗はどれくらいいただいたのやら。
とりあえずこちらが最初にやってきた「牛すじ煮込み」。いやはや,熱燗にぴったり。
この「衣紋坂」にやって来た経緯を話すと,「あっ,そりゃ○○さんだね。」と観光案内所のおじさんも知っているらしい。
それよりも驚くのはこのおじさんは御年84歳だが,現役で働いていること。「仕事は林業なんだが……」と話し出し,「木を切り出すのは何にも儲からないけど,最近最もあるのは大きくなった木を切ってくれという仕事」という。人が住まなくなり,木だけが大きくなり,始末に困って切ってくれという依頼ばかりだとのこと。
こちら「馬モツ煮込み」。これもいい味。でも,料理の味もさることながら,地元のおじさんとの話が酒のアテになる。
こちらの大将もかなりの御年だが,現役でこの店の切り盛りをしている。料理は今は息子さんだが,忙しく立ち働きつつ,時々カウンター席にやって来て座って,先程のおじさんとの会話を楽しみつつ,熱燗を呑んでいる。
温泉談義が始まり,「下諏訪温泉は一切加熱してないよ。この間熱海に行ったけど旅館の後ろにボイラーがある。温めなくちゃいけないなんてありゃ温泉じゃなくて鉱泉だよ。」と地元愛を語る。確かに,日本の温泉で温めなくていいところなんてそんなにない。
地域の相撲の指導もしているらしく,カウンター席の後ろには相撲の番付やら,力士の色紙やらが貼ってある。
この「衣紋坂」というのは店の屋号だが,店の前の坂が「衣紋坂」と呼ばれている。この下諏訪のこの衣紋坂の上の方に昔は茶屋街があったらしい。で,江戸の吉原と同じで,遊郭に入る前に着物の襟をしっかりと正すのがここ衣紋坂であったということを聞いた。さすが,中山道の宿場町であり,古くからの諏訪大社の下社のある門前町である。
ほかにもいろんな話を聞きながら,こちらが新しくビールを注文する暇もなく,結局は熱燗をかなりいただいた。
こちら「豆腐の土佐揚げ」。豆腐は大好きなのだが「土佐揚げ」は初めて食べた。かつお節をまぶして揚げる,まさしく「土佐の味」。
「いやあ,こんな風に旅の人としゃべるのは楽しいわ。」というおじさんは結局お通しと刺し盛りだけで去って行く。うーん。こちらお銚子2,3本分は呑んだ。つまりはかなりおごってもらったってことだ。
ほどなくして東京からの一人旅のおねえさんがやって来た。「寒いので『湯豆腐』ください。」と言って,呑み始めた。
こちらは1次会のあとにもう一つ温泉に入りに行こうと思っていたのだが,熱燗呑み過ぎて,これじゃあ酔っぱらって温泉で溺れそうなので,入るのは翌日にした。
観光案内所のおじさんのお勧めの店は当たりだねえ。
探検隊おまけの報告:
今回は特にありません。