分類:和食
所在地:金沢市彦三町(浅野川沿い主計町茶屋街から下流方向)
探検時期:2010年8月
今回の探検目的:宴会
今回のお品書き:コース料理
今回の所要経費:会費はお酒込みで7000円
探検隊の報告:
今夜は昔懐かしの仲間との飲み会である。まあ同窓会というべきか。10数年ぶりにこうしてみんなで会する。1人は都合が悪いので,6人での会である。その場がここ「貴船」である。今回の幹事が選んだのだった。
場所は浅野川べり。主計町(かずえまち)の茶屋街につながるところにある。住所こそ彦三(ひこそ)1丁目ということであるが,浅野川大橋から川縁を下流方向,主計町の茶屋街の格子に沿って歩けば,主計町も尾張町(おわりちょう)も彦三も連続していて,道に終わりがあるわけではなく,風情のある町並みが続く。
とはいえ,自分は逆の下流の武蔵が辻の方から上流方向へ歩いてきて,彦三緑地を通り抜けてきたのだが,この彦三緑地もまた加賀藩士の屋敷跡で,風情の残るところである。彦三緑地を抜けて,浅野川の堤に向かって歩き,川に出たかと思うところがこの「貴船」である。
さて,店に入り,部屋に案内され,6人そろうまで待つ。
会が始まり,最初に出てきたのが,この虫かごであった。しかもうちわの上に載っている。初っ端から満腹探検隊を喜ばせる演出である。料理の中身については出てくるたびに説明してもらったのだが,すっかりと忘れている。
それにしても,こんなところにこんな店があったなんて,知らなかった。新しくできた店のようであるが,今日の幹事のエム氏はいったいどこでこの店を知ったのやら。
料理がすべて,まず器から「ほほう。」と感心してしまうのだった。
左は最初に出てきた椀もの。右は刺身。そもそも刺身がこのように葉っぱの上に載ってくる。この葉っぱ何というのだったか?おまけに醤油の手塩が葉っぱと同じような相似形。うーむ,心憎い演出である。
焼き物である。シシトウと太刀魚だったか。器がまた蝶々の形。
この会のメンバーも結構年をとってきた。もはや退職者もいるくらいである。
この会で視察旅行に行ったのだったが,そのときの思い出でも盛り上がる。だがしかし,かなり盛り上がった話題がエアコンのない職場の話である。この会場まで歩いて来て,中は当然エアコンが効いていて涼しいのだが,慣れてくると直接当たる風が寒く感じる。それで風の方向を変えたのだったが,そんなこともきっかけに,今時エアコンのない職場の話になる。
夏の風物,鮎が出てくる。左は3人前の一式である。こうやって大きな器の上に置かれ,しかも,塩がきれいに渦巻きの絵を描いている。
右は個別の取り皿である。
ちなみに,3つ食用ホオズキが載っている。このような食用のホオズキがあるなんて初めて知った。食べてみると,まあプチトマトって感じである。
見た目といい,食材といい,なにかと「ほほう。」と言わせる店なのだった。
ナスの田楽である。
下は,鍋。本当に一つ一つ,ゆっくりと出てくる。どうぞ料理と会話をお楽しみくださいという感じである。
最後にご飯が出てくるのだが,これがまた凝っている。
部屋の入口にお釜があって,それで炊いていたのである。それは最後に部屋を出て気がついた。つまり,炊きたてのご飯が出てきていたということである。とてもいいタイミングでご飯も出てきたので,我々の様子を見ながら,しっかりと炊かれていたのだろう。このご飯も美味しかった。
ということで,デザートも出てきて本日の締めである。
最後に会費の支払いだが,幹事が一人7000円で足りるという。まあ,お酒はそんなにたくさん飲んだわけではないので,料理代が中心だが,それでも,これだけの料理で7000円ですむなんて,あり得ないような感じである。
探検時期:2013年3月
今回の探検目的:宴会
今回のお品書き:コース料理
今回の所要経費:料理は6600円
探検隊の報告:
今夜は我が課の年度末の懇親会及び慰労会である。
幹事にどこでやりたいかと聞かれて,ぜひこの「貴船」でやりたいので,なんとか予約してと頼んで,実現したのだった。
3月中旬とはいえ,まだまだ薄ら寒い。コートを着て,ちょっと離れたバス停から歩いてこの「貴船」に向かう。時間があったので,浅野川大橋から,浅野川縁を歩きながら,主計町の料亭街の前を通る。すでに観光客の姿もまばらで,ぽつりと点る外灯が寒さと相まって物悲しい雰囲気である。しかし,雰囲気は物悲しいが,気分は期待にふくらんでいる。なにしろ行きたかった「貴船」に行けるのだから。
さて,着くとまだ誰も来ていない。とりあえず,廊下にあるご飯のお釜だけを撮影しておく。あとでここでご飯が炊かれ,美味しい料理の締めくくりとなるかと思うと,これまた,期待がふくらむ。
全員がそろうと,おしぼりと共に,桜湯が供される。
春が近いことが偲ばれる。
1階の宴席は定員は基本は8人である。仕切ることができるが,そうすると,4人4人が基本となる。その時は向かい合っては4人で,お誕生席に座ると5人目も入れるが,ちょっと狭くなるだろう。
今回はもともと6人で来る予定だったので,1階が貸しきりである。
まずは先附が出てくる。左が最初の状態。なんともはや,洒落た出方である。
その風呂敷というか,もはや袱紗というべきか,をほどくと,きれいな杯が出てくる。その杯にお酒が注がれる。いや,2種類出てきて,一つは辛口のお酒,もう一つは甘口の柚子蜜だったか。自分は飲むのでもちろんお酒である。
そして,この器を開くと,中から出てくるのがこれ。
蛸と小豆の入った桜餅が先附である。桜の葉に包まれ,上には蕨と山葵が載る。
これを竹の箸でちょっとずつ食べながら,頼んだのはビール。
ビールを頼むと「アサヒにしますか?」と聞かれ,他にあるかと聞くと,キリンがあるとのことで,キリンラガーである。
以後料理についてはすべて詳しく説明をしてくれて,一品ずつ感心しながら食べた。
が,いかんせん,記憶力が不足しており,すべての内容を覚えていない。なので,以下は適当に思い出すことを書いている。
椀もの代わりということで「春キャベツのすりながし」である。
上に牛乳から作った泡が載っかり,さらに桜の粉が振りかけられている……だったはず。
温かいスープで,美味しい。
ちなみに,右上に写っているのはビールのグラス。陶器製で,絵はきっと麦。
ここからは,この箸で料理をいただく。
お造りである。
中央にガス海老。その上の緑の葉っぱが食用サボテンらしい。
右上がなめら。なめらはスズキ科の魚で,別名マハタとも言うらしい。
真ん中は何だったか,貝。きっとバイ貝。その上には海ぶどうが載る。
海ぶどうはクビレズタという海藻で,ブドウのように球状の小枝が密生しているため,海ぶどうと呼ばれるらしい。
さて,続いては八寸が出てくる。
ちなみに,右にはこの部屋から見える坪庭が少し写っている。
一人あたり五品載っている。
竹の子の皮の先に載っているのはノドグロのお寿司。
真ん中にこのわたの味付けの一品。このわたの味に酒が進む。
その右にホタルイカの串に刺したやつ。
ホタルイカの右には蛤に蕗のとう味噌がのっかったやつ。
もう「〜のやつ」としか説明のしようがない。
そして,ぼんぼりのような形をした器には蕨ともずくの酢の物。
この器は特注らしい。春らしい器である。
左,竹の子とワカメの鍋。
このあたりから自分は冷酒とする。
右,焼き物。
鱒であるらしい。その前にホタルイカと添えられた酢味噌。
ちなみに料理は半月ごとに変わるらしい。この日は15日で,ちょうどこの日から3月の後半の料理。
3月後半初めてなので,お客さんの評判を聞き,料理も変更したりするとのこと。これだけの面白い工夫をしながらも,お客の声を聞くことを忘れずに,ひび精進しているというのも素晴らしい。
左,サワラの上にシイタケ,ふき,ごぼうのあん掛けが載る。
右,バイ貝,赤貝,ギボウシの酢の物。
このあたりから自分はお酒も2種類目。「池月 うすにごり」。なにしろ,各自好きなものを飲んでいるので,一合の酒もすべて一人酌でちびりちびりと飲む。
酒を変えるとおちょこも換えてくれる。
そしてこれがいよいよ炊き込みご飯。
時期を見計らって,先ほどのお釜で炊かれてくる。
今回は芝エビの揚げたやつが入っており。香ばしい。
お代わりがありますよ,と言われて,しっかりとお代わりをいただくのだった。
これが最後のデザート。
締めのデザートまでも凝っている。
春らしく,桜のムースに,お団子が突きささる。そして,桜の葉っぱの揚げたもの。これをパリパリと砕いて,デザートをいただく。ソースも桜の香りのソース。
いやはや,今夜の料理も美味しかったし,器に盛りつけにと凝っていた。
ゆっくり美味しい料理をいただきながら話をして,いんぎらぁっと過ごしたのだった。
探検隊おまけの報告:
今回は特にありません。