韓国ソウル旅行記 −裕美と父の旅日記−

晩ご飯に雪濃湯(ソルロンタン)

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 さて,東大門(トンデムン)での晩ご飯はやめにして,目指したのはちょっと離れた「プルコギ」の老舗。
清渓川に沿って歩く  そこに行くために,清渓川に沿って歩く。とてもきれいな水が流れ,両岸には遊歩道があり,多くの人が散歩している。ここは,しばらく前までは暗渠になっていて,川はふさがれ,上に道が走っていたらしい。今は,格好の散歩道のようだ。川におしどりの夫婦が優雅に泳いでいる。
 さて,しばらく歩いて,ようやく目的の店にたどり着く。店の名前は「又来屋」(ウレオク)という店。日本語読みすると「また来てや」となるなあ。関西弁かね?
 しかし,次々とお客を乗せた車がやってくる。そして,かなりが日本人のようである。なんだかいきなり行くのも場違いなような気がするし,おまけに,いかにも高そうだったのでやめたのだった。(優柔不断な父である。)
 高いと言っても,ガイドブックでは,1人前24000ウォン。

清渓川  しかし,プルコギだけで終わるとは思えないので,これやめて,隣にある町中の食堂へ行くことにしたのだった。(ちなみに,この店は最初ここが目的の又来屋(ウレオク)だと思った店で,娘に「お父さんこの店じゃないよ。」と言われた店だった。それで,再度「又来屋(ウレオク)」をさがしたのだった。)
 ここでは日本語はもちろん英語も通じない。当たり前だな。金沢の町中の食堂で,英語が通じる店があったら,感心してしまう。
 再度言い直して,「メニュー」だけは通じて,お品書きを持ってきてもらえることになったようだが,「チャイニーズ?」と聞かれる。
 「ジャパニーズ」と答えると,韓国語,中国語,日本語,英語併記のメニューが出てくる。別に「チャイニーズ?」と聞かなくても,結局中国語も日本語も書いてあるメニューじゃないのと思ったが,まあいいだろう。
 お品書きの次のページを見ようとしたら,これはないとのジェスチャー。

ソルロンタン  結局,ここではこの時間1品しかなくて,「雪濃湯(ソルロンタン)」だけ。これしかないのなら,それでもいいやと注文する。
 このお品書きにしても,料理が出てきたあとに,娘がガイドブックを眺めながら,この料理ってこれじゃないのと言って見せた写真と解説が,この名前の料理だったのである。
 しかし,必ずキムチが付いてくるところが,さすが韓国である。白菜キムチと,オイキムチ,結構大きなかたまりで出てきて,はさみでバチバチと切って食べる。
 まずはお手本にと,1人前のキムチを切ってくれた。特別大サービスらしい。でも,ここのキムチもうまい。日本で買うキムチでも,やたら塩辛いのがあるが,このキムチ,適度な塩加減で,塩辛いよりも唐辛子の辛さがきいていて,コクがある。こうやって,適当に地元の人の入る食堂に来てみて,地元のキムチって,こんな味で,地元の人たちもこんなキムチ食べてるんだ,と感心したのだった。つまり,日本で売ってるキムチでも,もしかしたら韓国の人たちは美味しいと感じないものもあるんだろうな,と思ったのだった。
 さて,このおかゆのようなものはえらく味が薄い。塩を好きなだけ入れるらしい。店員さんがジェスチャーで示してくれる。
 周りの地元の人たちは,自分の使うスプーンを直接塩のツボの中につっこんで,好きなだけ塩を入れている。足りなければ,再び塩のツボに自分のスプーンをつっこむ。
 それから「beer」が通じない。日本語で「ビール」と言ってみてももちろん通じない。しかたなく,ガイドブックのビールの写真を指し示すと分かってくれた。
 そして,ビール瓶を出してきて指し示したので,指で○をつくったが,これって韓国で通じるんだろうか。(というか,通じてたのだが。)
 ちなみにビールは「OB」の瓶ビール。
 支払いも,「How much?」は通じない。接客してくれたおばさんも困った風。だけど,レジの所のおばさんはできたもので,支払うべき金額の紙幣を出してきて,これだけだと示す。15000ウォンを示したのだった。まったく持って,わかりやすい方法である。
 ここでは「雪濃湯(ソルロンタン)」が6000ウォン,ビールが3000ウォンだったらしい。プルコギの4分の1の値段で終わった夕食だった。

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