分類:和食
所在地:金沢市安江町12−1(金澤表参道からちょっとだけ入ったところ)
探検時期:2019年11月
今回の探検目的:宴会の3次会
今回のお品書き:日本酒もっきり+お通し
今回の所要経費:1000円
探検隊の報告:
酔っぱらいのおじさんはふらりと歩いて,見つけた店にふらりと入る。
今夜は武蔵が辻近辺をぐるぐると徘徊するおじさんであった。
0次会が,この店の近所,金澤表参道沿いの「ちょい呑みダイニング貴」。1次会が近江町市場内の「近江町食堂」,2次会に彦三大通り沿いの「プラットホーム」なる店に行き,そこで解散。
家路につけばよさそうなものを,吉田類のごとく「あと1,2軒行ってみたいと思います。」と,歩く道をはずれて再び金澤表参道に向かってみる。
人の道をはずれているわけではないのでよかろう,ということだが,歩く道が大通りをはずれ,真っ直ぐにはならない。
この金澤表参道,この時間帯はすでに暗い。だからやっている店があると,明るく目立つ。そうやってちょいと目立っていたのがここ「能登まいもん堂」であった。
扉を開けるとお客は誰もいない。一応座っていいかと大将に聞いて,カウンター席に座る。
小さい店に雑然といろいろなものが並び,さらに雑然とした雰囲気を醸し出しているが,これぞ大将1人でやっている渋い居酒屋という感じである。狭い店にディスプレイが2つあるのだが,その2つには違う画像が映し出されていて,はてどちらを見ればいいのやらという感じ。
大将が
「うちには日本酒しかないんですか,いいですか?」
と聞くが,先程来日本酒ばかり呑んでいるし,お腹もふくれているので,もちろん「いい」と答える。
出てきた日本酒はこちら
「『遊穂(ゆうほ)』って能登の酒です。」
と大将が言うのであるが,初めて見た酒である。
「『ゆうほ』って,まるで『UFO』って感じに聞こえるね。」
と言うと,
「そうなんですよ。UFOの町羽咋の酒です。」
とのこと。羽咋の酒とは知らず,能登と聞いたので,つい羽咋を連想して言ってみたのだったが,「なんだ,羽咋の酒か。まるでおやじギャグのような命名だ」と変に感心する。でも漢字は「遊穂」と,素敵な感じの漢字。
居酒屋によくある「もっきり」状態で出てきて,まずはお迎えに行く。まさしく吉田類もよくやっているあの姿。
お酒のアテにはこいつは「タコの塩辛」かと思ったのだが,3日後の日曜日にこいつが「イカの麹漬け」であることが判明する。
で,こいつが結構塩辛くて,一切れでぐいっと酒が呑める。
いやはや,ここまでによく呑んできた。もはや和らぎ水がないと飲めないような状態。なので,コップに水をもらう。冷たい水が美味い。1杯では足りなくて,カウンター上の水差しから追加の水を入れる。
途中でいきなり咳が出始めたが,何のことはない,大将が吸い始めたタバコの煙に反応したらしい。
大将も能登から通っているようなことを言っていたし,毎日開いているわけでもないらしい。
今度は一つ,まともに1次会から来て,料理を味わってみたいような酒場であった。「能登まいもん堂」というくらいだから,能登の美味しいものをいただけるのであろうか。
支払いは1000円札1枚。
ここもまた,「ディープな金沢」と言えるのではあるまいか。
探検時期:2019年12月
今回の探検目的:ふらり立ち寄る
今回のお品書き:能登豚ソーセージ+能登豚串
今回の所要経費:
どちらも通常1本600円のところこの日は1本500円で計1000円
探検隊の報告:
ここでおつまみを買って,お隣の「酒肆ライトハウス」で呑むという,面白いことになったのだった。
日曜日の夕方である。金沢駅から帰るのであるが,連れ合いと2人,ちょい呑みして帰ろうかと歩くこととする。
まず目指した店は,またもや予約じゃないと入れないという。そこで別院通りを歩き,目星をつけた店は準備中。やむなく金澤表参道までやって来た。
日曜日の夕方で,すでに空は暗くなっていることもあってか,ほとんどの店はシャッターが降りている。東別院を過ぎ,もう武蔵が辻の「エムザ」に近づこうかというとき,先週木曜日に行ったここ「能登まいもん堂」をふと見ると,店の前で大将が何やら焼いている。それに,道の角にはのぼり旗まで立っている。日曜日は通常やっていないと聞いたのに,やっているなら店に入ろうかと行ってみることにする。
見ると大将は店の前の焼き台でソーセージと豚串を焼いているではないか。それが実に美味しそうであった。
で,大将に,
「今日は店には入れるか?」
と聞くと,
「店は開けていない。」
とのこと。それでも焼き物は美味しそうだったので,これと缶ビールでもいいかと,
「近くに缶ビールを売っているところはないか。」
と大将に聞いてみる。すると,しばし考え込んだ大将が,次のように言うではないか。
「お隣の店は,よく知っている店だから,おつまみを持ち込んで,ビールだけ呑めるか聞いてきてあげましょう。」
そう言って大将が隣の店に入っていく。しばらくして出てきて,「大丈夫だ」と言うので,ここでソーセージと豚串を1本ずつもらうこととする。
連れ合いがそのお隣の店の「酒肆ライトハウス」に先に入り,自分は焼き上がるのを待つ。黙っていても手持ち無沙汰なので,先週の木曜日の夜に1人で店に来たことを話すと,大将も思い出した様子。
「あのときの『タコの塩辛』は塩辛かったねえ。」
と言うと,
「あれは『イカの麹漬け』ですよ。能登に行ったらどこにでもありますよ。」
とのこと。何だそうだったのかと,あの塩辛い物体の謎が判明する。いやはや,酔っぱらいの感覚もあてにならないものである。つまり,自分のことだが。
さて,待つことしばし,できあがった串2本をお持ち帰り容器に入れてもらって,お隣の「酒肆ライトハウス」に向かう。
いやはや,こんなのもありか。やはり「ディープな金沢」は面白いと言うべきか。
探検隊おまけの報告:今回は特にありません。