このページは,満腹探検隊がでかけた金沢市内の飲食店のお品書きの中で,おでんを食べた店の一覧表です。
いわゆる「金沢おでん」ということになりますが,「金沢おでん」には明確な定義はありません。まあ,金沢で庶民が気軽に食べてるのが「金沢おでん」であり,強いて言えば,「京風の薄味の味付けの店が多く,金沢独特のおでんダネがある」って感じですかね。
金沢市民としてはとりたててこれが独特な「金沢おでん」などとも思わずにこれまで食べてきたんですけどね。いつからか「金沢おでん」などと呼ばれて,「えっ,このおでんダネって金沢のほかにはないの?」などと思うことになった次第です。いわば方言みたいなもので,住んでる人にとってはあたり前の言葉でもほかで通じないと知って,初めて「金沢弁だったのか」と知るようなものですね。
それと人様が「『金沢おでん』って独特だよね。」などと言ってくれたり,特別扱いしてくれたりするものだから,金沢人としても,そう言ってくれるなら,この際だから
「これって金沢独自の『金沢おでん』なんです。」
なんて言っておこうかな,などということになった次第です。
ただし,満腹探検隊隊長の感覚としては,庶民の店と言いながら金沢のおでん屋は少々お高めの店が多いです。すべてのおでん屋あるいはおでんの出てくる居酒屋,料理屋とは言いませんが。だって,大根一切れが200円以上もしてる店もあるし……まあ,軽く一杯飲めるってことで言えば,そんなにも高いものではないですが。
ということで,詳しくは,それぞれのページの報告をご覧ください。
赤玉(あかだま)本店 老舗ですねえ。金沢市民ならみんな知ってるお店です。 ここでは「湯豆腐」も好きなんです。 |
赤玉(あかだま)金劇パシオン店 昔からここの「肉団子」が好きでした。本店とはまた違った味なんです。 大根は250円。 |
ゑびす ここも結構ディープな金沢の店。武蔵が辻の路地裏です。 女将の化粧もなかなか。 |
菊一(きくいち) 注文すると店主愛用の料金札がさりげなく置かれる。 昔の風情の写真も飾ってあって,歴史を感じさせるね。 |
黒百合(くろゆり) 金沢駅構内にも店があり,地元客よりも観光客で賑わってるって感じです。 大根は220円。 |
高砂(たかさご) 金沢にしては濃いめの味付けです。関東風ってことなのか。味噌つけて食べるのが特徴でもある。 「菊一」とはすぐ目と鼻の先。自分は薄味の「菊一」の方が好きだね。 |
三幸(みゆき) ここは居酒屋としてもおすすめです。 おでんだけじゃなく,自家製さつま揚げの「みゆき揚げ」もおでん以外の一品も美味しい。 |
笠舞おでん つぼみ 市内中心部にはないけど,賑わっている店です。 牛すじ煮込みも美味しかったね。 大根は270円。 |
白山茶屋(はくさんぢゃや) これぞ庶民の居酒屋ですよ。大根は140円。 午後4時開店,すぐに店は満席になってしまう。 おでんは多種多様なお品書きの中の一つに過ぎません。 |
近江町市場 いっぷくや 近江町市場内にあるちょい呑みができるおでん屋です。大根は200円。 しっかり立ち呑みしてきました。 |
くし家 元はと言えば串カツの店。 串カツ28種類で,おでんが20種類。充分おでん屋と言えるお品書きの数。 大根は270円。 |
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ちくわ 金沢では新しいおでん屋。手作りちくわがウリ。 写真のかに面が1814円,練り物風の中身。 大根291円。 |
かなえきのちくわ 「ちくわ」がいつの間にか金沢駅に出店を作っていた。 カウンター席のみで,いまどきの洒落た雰囲気。 大根280円。 |
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市場めし あまつぼ 「金沢市民の台所」近江町市場内にあります。 写真のかに面が1780円,大根280円,ビール中瓶700円。すべてに観光地価格だねえ。 |
山さん 「おでん 山さん」とのれんには「おでん」が店の頭についてるけど,お品書きはそれ以外のものの方が多いかな。いわば居酒屋です。 大根は170円。 |
魚菜屋(さかなや) 魚中心の店でもおでんが出るのが金沢かなあ。このときは牛すじを注文しました。 大根120円は良心価格。 |
金沢市立中学校の学校給食の金沢おでん 学校給食にも「金沢おでん」というお品書きが出てきました。単に「おでん」というのはよくあったけど,わざわざ「金沢おでん」と名付けての登場です。と言っても,「金沢おでん」らしいのは「車麩」くらいでしたが。 |
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おまけに全国チェーンのおらが蕎麦のおでん。 「金沢おでん」じゃないけれど,金沢駅で食べられます。 大根が118円。庶民のおでん屋はこれくらいの価格で提供してほしいねえ。 |
おまけに新潟で行った「おでん処 じゅんちゃんの報告もどうぞ。 ここにも車麩はあったけど,梅貝やはべんはないね。そして,冬でも「かに面」はないね。 でも,女の子は可愛かったよ。 |
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さらにおまけに「カルビー」がこんなポテトチップス出してましたね。 左は2017年11月発売のもの。右は2020年7月発売のもの。 石川の味として「金沢おでんかに面の味」ってことです。 「かに面の味」って言うよりも「おでん出汁の味」と言うべきか「かにパウダーの味」と言うべきか,まあ,これは「おでんの種」と言うよりも「話の種」と言うことですね。 |
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2019年のおまけの話
ほんとにいつから「金沢おでん」と呼ばれるようになったのやら。
北陸新幹線開業(2015年)以降のことですね。金沢市としては名物扱いしてくれて,観光客も来てくれて,お金も落ちていいんだろうけど,地元民としては「おでん屋」といい,金沢市民の台所「近江町市場」といい,使い勝手が悪くなってますね。
金沢市民はおでん屋に行列することはありませんでした。のれんをくぐり,店が満杯だったら
「じゃ,また今度。」
と言って去るだけ。そして,ほかの店を探すだけ。でも今は観光客が行列を作っている店もあるわけで,会社帰りにちょっと一杯,なんてこともできない状況です。
それと,新興のおでん屋も生まれてるし,これまでおでんを出さなかった居酒屋も,「金沢おでん」と銘打って,おでんを提供するという事態。まあ,それは悪くないけど,商売人というのはお金儲けを考えるものだなあと改めて感心する次第です。
そもそも金沢は,人口の割にはおでん屋が多かったらしいけど,それとても,某テレビ局が電話帳で調べた数を人口で割った数値らしい。マスコミとネットの力は大きいねえ。
いや,今の時代はおそらくネットの力の方が大きいのだろうね。
確かに「かに面」なんて,おでんダネとしては破格のお値段。でも,ここでしか食べられない珍しいもの食べたよ,ってことはついつい人に言いたくなるからねえ。それは自分も同じだし。
おでんの「かに面」も「ばい貝」も「車麩」も,それから「ハントンライス」も,昔はいちいちそんなもの取り上げられることもなかったけど,いつからか「B級グルメ」なんてものがもてはやされ,各地方でも特色を出そうなどという風潮の中で,表に出るようになりましたねえ。
かく言う自分も「満腹探検隊」の中で,「金沢おでん特集」や「ハントンライス特集」なんてページを作ってるわけで,どうせなら他の町の人々に,自分の町の特色を見せたいってのは,自然な欲求だね。
それと,ある町を訪れた人は,1日に5回も6回もごはんを食べられるわけじゃなし,どうせならご当地名物を食べてみようというのも,自然な欲求でしょうね。
ということで,「金沢おでん」のおまけのお話はおしまい。
果たしていつまで金沢にはたくさんの観光客が来てくれるのやら。何回もくり返し来てもらうための戦略とは何があるだろう。ふと,そう思ったのでした。